「私は英国が海外からの投資に対し、必要以上に敵対的なスタンスをとる必要は無いと考えている。しかし、その一方で、国家の安全を危機にさらすことがあってはならない」とジョンソンは述べた。
この話はその後、思わぬ展開を見せた。12月5日、イギリスの人気テレビ番組「This Morning’s」に出演したジョンソンは司会者らとセルフィーを撮影し、ツイッターに投稿したのだが、その撮影に用いられたスマホが、ファーウェイ製のスマートフォン「P20」だったのだ。
番組関係者はジョンソンが自身のスマホを取り出して、セルフィーを撮影したと証言した。しかし、様々な憶測が高まる中で、政府関係者はこの証言を否定し、問題の端末はジョンソンの所有物ではなく、彼のスタッフから借り受けたものだとコメントした。
タイミング的に考えて、この騒ぎが何らかの意図により仕組まれたものとも考えられる。現在の政治的状況から考えて、ジョンソン個人がファーウェイの端末を所有し、それを公の場で使うとは考えにくい。フォーブスは番組を放送したITVと、英国保守党にコメントを求めたが、現時点で回答は得られていない。
ファーウェイもこの件に関してコメントを拒否したが、内部関係者は社内でこの事件がジョークのネタになったと明かした。社員らは、どうせ使うのであればファーウェイが最新の5Gテクノロジーを詰め込んだMate 30にして欲しかったと述べたという。
しかし、このニュースは単なる笑い話では終わらない。米国政府は、英国が5Gネットワークの構築に向けて、ファーウェイのテクノロジーに依存していることに重大な関心を寄せている。米国がファーウェイをブラックリストに指定するまで、英国の通信キャリアは広範囲にファーウェイの5G通信機器を導入しようとしていた。