年末のセールはお得なショッピングが楽しめる点が魅力だが、サイバーマンデーにおける平均的な値引率は30%に達していたという。セールスフォースによると、11月25日時点の平均値引率は23%だったが、その1週間後の12月2日の値引率は、定価の3分の1近くに達していたという。
セールスフォースの集計で、今年の米国のサンクスギビングデー(11月28日)の売上は44億ドルで、ブラックフライデー(11月29日)の売上は72億ドルに達していた。
ここで興味深いのは、今年の年末商戦において、AI(人工知能)が大きな役割を果たしていたことだ。セールスフォースの分析によると、11月25日から始まったサイバーウィークのEコマース売上のうち、最大9%がAIのレコメンドによるものだったという。
旧来の小売業界でも、割引商品のレコメンドは行われてきたが、Eコマース時代の到来とともに、アマゾンらが関連アイテムのレコメンドを行うようになった。しかし、AIはこれまで以上に膨大なデータを活用し、消費者の好みを学習することで、効率的なレコメンドを行っている。
セールスフォースによると、AIを活用したレコメンドは今年のサンクスギビングデーやブラックフライデーにおいて、消費者の支出額を12%押し上げる効果があったという。今後は、実店舗とEコマースの双方にAIの導入が見込まれており、そのパワーはさらに高まっていきそうだ。
今年はモバイル経由の買い物が定着した点も注目だ。ここ数年、消費者はモバイルで検索を行い、購入を完了するのはデスクトップという傾向があったが、今では全てをモバイルで完結させるのが一般化した。
セールスフォースによると、世界のデジタルトラフィックの73%はモバイル端末からのもので、モバイルでの買い物は購入全体の55%を占めている。
もう一つ、注目のトレンドと言えるのがソーシャルコマースの普及だ。セールスフォースによると、モバイルからの注文に占めるソーシャルコマースの比率は過去最大に達し、全体の7%がソーシャルコマースによるものだったという。