近年、それに「温泉」が加えられ始めている。「他人の前で裸体になり、他人と共に(ときに屋外で)バスタブに浸かる」文化が奇怪なものだった昔は、すでに遠くなっているらしい。
訪日旅行手配専門の旅行会社「Japan Travel Centre」が、外国人旅行者がその魅力に取り憑かれ、帰国後に「ああ、あの湯にもう一度肩までつかってゆっくりしたい」と恋い焦がれたという温泉10カ所を紹介している。同サイトの協力のもと、2回にわたって一挙公開する(その1はこちら)。
外国人が先入観を排した目で選んだ温泉スポットは、われわれの年末の「骨休め」旅行計画の、かけがえのない情報源となるかもしれない。
「温泉」とは、地中から湯が湧き出している場所や、その湯を指す。日本人が体と心のリラックスのために使う手段として、もっとも人気のあるもののひとつだ。
日本は火山活動が活発な場所に位置するため、数千という温泉地が国内のそこここにあるが、すばらしい湯治場の多くは、都市部から離れたところにある。とくに屋外の温泉である「露天風呂」では、心身ともに大いなる至福の時を過ごせる。これも、自然のすばらしい風景が国内のあちこちに豊富にある日本なればこそである。
そして、一口に温泉といっても、含有するミネラル分の種類はそれぞれに異なるし、混浴、男女別湯、色のついた湯、無色透明のものなど、形態もさまざまだ。バスタブの素材も、イトスギ材や大理石、花崗岩など実に多種多様だ。
日本の温泉を一度知ってしまうと、その魅力にはまってしまう人は多い。
もちろん、公衆浴槽、銭湯といった文化を「奇妙なもの」と感じるむきもまだ多いだろう。だが、一度は試してみると「信奉者」になること請け合いだ。信じてほしい。温泉はセラピー的な効果が抜群で、心身のリセット効果やリラックス効果が抜群なのだから。
このエンタテイメントは自分を甘やかす最大の手段であり、日本の片田舎でのびのびし、驚嘆すべき日本の自然や新鮮な素材で作られた料理を楽しむための絶好の「装置」なのだ。
「その1」に続き、外国人旅行者が帰国後も恋い焦がれる日本の温泉、その第6位〜10位を紹介する。
6. 下呂温泉(岐阜県)
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草津や有馬と並ぶ日本三大温泉のひとつだ。高山から電車で45分の下呂市に位置している。1300円の「湯めぐり手形」があれば加盟旅館のうち3軒で入浴することができる。手形はJR下呂温泉駅外の総合観光案内所や、加盟旅館で購入可能。
7. 登別温泉(北海道)
Japan Travel-Centre
北海道でもっとも有名な、国内全体でも屈指の温泉リゾートのひとつだ。1日1万トンもの温泉が自然に湧き、お湯の温度は45℃から90℃にもなる。イオウ、塩分、アルミニウム、ボウショウ、硫酸鉄、鉄、鉄錯、アルカリ、ラジウムなど、さまざまな成分やミネラルを含む9種の温泉が湧く。
8. 城崎温泉(兵庫県)
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兵庫県北部の日本海側に位置する。「外湯」と呼ばれる7つの公衆温泉が有名だ。この町を訪れれば、地元住民が和装(浴衣)で川沿いを散歩している光景が見られる。その様子と伝統的な建築様式の3階建ての木造旅館が、町の歴史的景観となっている。
9. 指宿温泉(鹿児島県)
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日本最南端に位置する温泉リゾートだ。鹿児島市から1時間ほどのところにあり、JR鹿児島中央駅からの観光列車「指宿のたまて箱」で行くこともできる。
この温泉地の特徴は、日本国内でも数少ない天然の砂蒸し風呂だ。砂風呂は神経痛やリュウマチ、喘息、胃腸疾患の症状緩和に効果があると考えられ、とくに女性に良いとされている。
10.別府温泉(大分県)
Japan Travel-Centre
大分県、山脈と別府湾の間に位置する日本でもっとも古い温泉街のひとつで、国内温泉湧出量ナンバーワンとしても知られる。別府、浜脇、亀川、鉄輪、観海寺、堀田、明礬、柴石の8エリアが含まれ、これらは総称「別府八湯」と呼ばれる。
(オリジナル記事:https://www.japantravel-centre.com/japan_guide/popular-onsen-towns/)
外国人はここで「銭湯」にハマる。温泉旅館ベスト10(その1)