不動産テックは、直近の話題こそ「WeWorkショック」だが、ここ数年、グローバル市場にて多くの資金が流れ、数多くのユニコーン企業が誕生した。米国の不動産情報サイトのZillow、中古不動産販売のOpendoor、不動産仲介のRedfin、高級住宅に特化した売買賃貸仲介のCompassは、GAFAならぬ「ZORC」と呼ばれ、注目を集めている。
そんな不動産テックの本場、ニューヨークに拠点を構え、グローバル市場を見据えて挑戦をしているのがウェルスパークだ。CEOの川田隆太(写真左)、CFOの白崎純平の二人が口を揃えて強調するのが「世界を舞台にしないと戦えない」ということだ。
同社は現在、不動産管理会社向けの業務効率化・管理支援ツール、不動産投資家向けの投資用不動産の収益管理ができるアプリ、インバウンド不動産投資支援の3つの事業を展開。
2019年4月に、シリーズAラウンドで5億4000万円の資金調達を行った。それ以前の18年11月にすでに米国進出し、白崎をはじめ、本場の不動産テック・コミュニティとの関係も強化。それが今回の認定にもつながった。彼らが狙うのは、4200万人を超える世界中の富裕層に向けた「世界一のオルタナティブ投資のプラットフォーム」。
170兆ドルに上るという非流動資産の対象資産のうち、まず不動産領域に挑む。その手段として「最初からグローバル市場で勝つこと」を掲げている。
「競合企業は、賃貸物件管理SaaSの米RealPageや米VTS。グローバル水準の上場企業やユニコーン企業だが、事業モデルの優位性で競争が可能だ。また、協業候補先として、オルタナティブ投資プラットフォームの米YieldStreet、大型商業不動産投資プラットフォームの米CADREなどを意識している」(川田)
ウェルスパークはすでに、日本、中国、台湾、香港、米国、英国、カナダでサービスを展開。米国ではスタートアップへの投資も実行、19年9月には英Four社との事業提携・データ連携を発表。世界中の市場においても、同様の協業を視野に入れる。最初から世界一を掲げ挑む、スタートアップの戦いは本格化していく。
川田隆太◎ファウンダー、CEO。WealthPark事業を創業。投資銀行、ITベンチャーのCEOを経て、2013年に事業承継と共に、WealthPark事業を開始。
白崎純平◎CFO、米国事業責任者。モルガン・スタンレーの不動産ファンドMSREFを経てWealthPark事業に参画。