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2019.11.28 11:00

タレント起用CMで得た親近感とメジャー感 顧客にサービスを“自分事化”させるきっかけに

写真左から、田部正樹氏と堀浩輝氏。

写真左から、田部正樹氏と堀浩輝氏。

人事評価クラウド「HRBrain」が、導入社数を急速に伸ばしている。同社が認知度を上げるきっかけとなったコミカルなCMは、タクシーアドを中心に強いインパクトを残した。制作を担当したラクスルが得意とする、Webマーケティングの手法を生かしたCM作りの強みとは?


「なんて評価だ!」

お笑い芸人・小峠英二(バイきんぐ)がこう叫ぶ姿を目にしたことがある方は、多いのではないだろうか。これは、2017年にリリースされた人事評価クラウド、「HRBrain」のCMのひとコマだ。同サービスは、会社内で行われる目標設定から面談、期末のフィードバック、集計といった一連のオペレーションを効率化する、クラウド型のSaaS(Software as a Service)である。


小峠氏を起用したCM。簡潔なコピーも効いた。

「サービスのローンチから2年間は、Webマーケティングを中心に集客し、順調に導入社数を伸ばすことができました。でも、アーリーアダプターの多くは、クラウド型サービスに理解のあるインターネット関連企業だったんです。より多くの業界の方に知ってもらうためには、Web以外のプロモーションも必要でした」

そこで行き着いたのが、テレビCMだった。しかし、自身も長年Webマーケティングに携わってきたHRBrainの堀浩輝社長は、「複数の広告代理店から提案を受ける中で、テレビCMの費用対効果に対する不安が大きくなった」と続ける。

「いただいた提案から、『かっこいいCM』のイメージはできました。でも、私たちはスタートアップですから、大きな投資をして、カンヌライオンズで広告賞を取るようなCMが作りたいわけではありません。少額で試せて、速いレスポンスがあり、どこに集中投資していくかをチューニングしながら確認できる。デジタル広告のように運用できるCMが必要だったんです」

そんなときに出会ったのが、ラクスルのテレビCM事業を統括する同社取締役CMO・田部正樹氏だった。ラクスルなら、CPA(Cost Per Action)を意識したWebマーケティングの手法を共有でき、かつ同社自身もテレビCMで成功した実績を持つ。両者は互いのデータやアイデア、成功パターンをもとに二人三脚でCM作りに挑んだ。

「私たちはまず、3パターンのクリエイティブで“ABCテスト”を実施しました。中でも効果的だったのが、小峠さんを起用したCMです。CMを作るにあたって、人事評価クラウドという地味で堅そうなイメージを払拭し、いかに親近感を持ってもらうか、という課題がありました。そもそも『人事評価クラウド』と言われてもピンとこない方が多いだろうと感じていたので、シンプルに印象づける必要もありました。そこで、知名度が高く親近感があり、かつキメ台詞を持つ小峠さんに行き着いたのです」


顧客の導入例を使用したバージョンでもテストした。

Webの場合、タイトルのつけ方ひとつでクリックレートが大きく変わることがある。その基本に立ち返ったとき、テレビCMもまた、キメ台詞やコピーがその印象を大きく左右するだろうと考えた。

「実は先日、某バラエティ番組で、共演者から振られて小峠さんが『なんて評価だ!』と叫んでくれたシーンがあったんです。たとえ『人事評価クラウド』と言われてピンとこなくても、『小峠さんが出ているCMの』と言われたらわかる。まずはそこで覚えてもらって、プロダクトを知ってもらうことが大切だと実感しました」

テレビにこだわらない媒体の活用が鍵に

こうしたHRBrainのCMを目にするのは、テレビだけではない。クリエイティブ自体の“ABCテスト”のほか、媒体によって相性のいいクリエイティブを見極めるためのテストも実施したという。その結果、集中投資を決めた先のひとつに、タクシーアドがある。

「タクシーアドに出稿を決めたのは、大都市圏の場合、利用者が決裁者である可能性がテレビに比べて圧倒的に高いのではないか、という仮説があったためです。その読みは、見事に的中しました。一方で、地方に行けばタクシー利用率は都心ほど高くはない。エリアごとに有効な媒体を探りながら、CMを流していきました。

放映後は、病院から学校、飲食店、洋菓子店、ガソリンスタンドまで、非インターネット業界の企業からの問い合わせが増えました。人事評価クラウドという耳に馴染みのないものを、『これなら使えるんじゃないか』と“自分事化”してもらえたということが、とても大きかったです」

田部氏は、HRBrainのCMの成功について、クリエイティブ、媒体のほかに、「タイミングも重要だった」と分析する。

「今ではタクシーアドに出稿する企業も増えましたが、出稿を始めた当時はまだほとんど利用されていない枠でした。同時に、人事関係のクラウド型SaaSもまだ目立ったものがなかった時期。競合よりも早いタイミングで、これから伸びる媒体に出稿できたことはとても大きかったと思います。ラクスルもそうですが、タイミングを外していたら、例えば1年遅かったら当たらなかったかもしれない。『人事評価クラウド=HRBrain』のように、イメージが浸透してしまえばこちらの勝ちですが、逆にそれを他者に取られてしまうと、覆すのが難しくなってしまいます。広告を打つ上で、タイミングの意思決定は非常に重要なんです」

堀社長も、「まだテレビCMを打つには早いかな?というタイミングでアクセルを踏み込んだと思います」と振り返る。

「結果的に、早期の大型プロモーションは、会社にポジティブな影響を与えてくれました。従業員に対して会社の覚悟を伝え、結束を強めることにも有効でしたし、そのタイミングで受注率が勢い良く伸びたことで、社内全体がとてもよい循環に入った。知名度が上がるにつれて、顧客だけでなく投資家たちからの安心感、信頼も得られるようになりました。スタートアップにとって、ビジネスの前に知ってもらえている、ということは大きなアドバンテージになります」。

今後は、HRBrainを人事評価以外の領域でシリーズ展開していく構想があり、第1弾が今冬にもリリースされるという。

ラクスルが自社のノウハウをもってサポート!少額で挑戦できるテレビCM



制作30万円~+放映20万円~、合計50万円~という格安でテレビCMを制作・放映できるのが、ラクスルのテレビCMサービスだ。長年webマーケティングに携わってきたスタッフのサポートにより、市場調査から放映媒体の分析、放映後のチューニングに関するサポートまでラクスルの専門チームが担当してくれる。

「一回やってみて、うまくいけばどんどん広げていけばいいし、うまくいかなければ一旦ストップして見直せばいい。少額からトライできるからこそ、まずはタイミングを遅くしすぎないでほしいと思います」(田部氏)さらなる成長のためにアクセルを踏むべきタイミングはいつか。逃さなないでほしい。

ラクスル
https://tvcm.raksul.com

堀浩輝◎HRBrain代表取締役社長。サイバーエージェント入社後、「Ameba」にて事業部長に就任。以降も「アメーバブログ」をはじめ、さまざまなサービスの責任者やエグゼクティブプロデューサーを経験する。2016年3月にHRBrainを創業。Forbes JAPAN「日本の起業家ランキング2018」RISING STARアワードで3位を受賞した。

田部正樹◎ラクスル取締役CMO/広告事業本部長。大学卒業後、丸井グループに入社。主に広報・宣伝活動などに従事。2007年テイクアンドギヴ・ニーズ入社。営業企画、事業戦略、マーケティングを担当し、事業戦略室長、マーケティング部長などを歴任。14年にラクスルに入社、16年10月から現職。

Promoted by ラクスル / photograph by Mizuaki Wakahara (D-CODE) / text & edit by Miki Chigira

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