ライバルはディズニーランド、異色のオーナーがBリーグで目指すもの

アースフレンズ東京Z 山野勝行オーナー

男子プロバスケットボールのBリーグは、2016年9月に初年度が開幕しました。当初は自分とは別世界のことだと感じていたのですが、ご縁があってBリーグのアースフレンズ東京Zの山野勝行オーナーとお目にかかり、常識を変えたいというイノベーションへのもの凄いパワーを感じました。

山野氏は大企業のサラリーマンから、スポーツビジネスに身を投じたチャレンジャーです。自らのチームを「ベンチャー」と称し、新たなイノベーションを起こそうとしている人です。

実際にアースフレンズ東京Zの試合も観戦しましたが、そこには、バスケットボールとビートに溢れた音楽が一体となった、これまで観たこともないエンターテインメントがありました。

Bリーグに止まらず、スポーツビジネス全体にもイノベーションを起こそうとしている山野氏に、自身が考えているスポーツの未来像について聞きました。

ベンチャーストーリーをエンタメに

山野氏は、サラリーマン時代から、人として何にチャレンジし成し遂げ人生を全うしていくのかの転機を35歳に設定していました。

高校まではハンドボール部に所属して、選手として活躍していましたが、野球やサッカーも大好きだったそうです。バスケットボールに出会ったのは30歳になる少し前。ゲームの持つスピード感や、小刻みに得点が入るドキドキ感に魅せられたそうですが、最も興味を引いたのは、身長の高低に関係なく体の小さい選手でもスターになる可能性を秘めているということ。日本人は欧米人に比べ身長差がありますが、他のスポーツと違い日本の選手が世界一になることも夢ではない、そこに転機後の光を見出したようです。

「僕は転機の年齢である35歳になったら何かにチャレンジしようと、サラリーマンになった時から決めていました。その期限が近づくにつれて、どうしようかなと思っていたところにバスケットボールに関心を持ちました。

当時は、観客も少なかったし、今のようにBリーグがあるわけでもない。こんなに面白いのに、なんでメジャーにならないのだろうという思いが湧き上がりました。もう少しいろいろやりようがあるのにと考えたし、あと日本代表が弱かったので、やっぱりそれを強くしていかないとなかなかメディアでも取り上げられないと思いました」

バスケットボールにハマりはじめた時期と、自分で決めた人生の転機の期限がリンクして、山野氏はサラリーマンを辞めて、Bリーグに身を投じます。そして、そこから、日本のバスケットボールを世界規模でメジャーにするという大きな目標を設定したというのです。

山野氏がまず着目したのが、バスケットボールのエンターテインメント性でした。
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文=松永 エリック・匡史

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