しかし、米国政府はファーウェイに禁輸措置を科したため、米国企業は同社と取引を行うことが出来ない状態だ。それにも関わらず、ファーウェイの事業は好調で、同社は先日2019年のスマホ出荷台数が2億台を超えたと宣言した。
ただし、米国による禁輸措置は、他国の企業にも影響を及ぼした。今年5月にソフトバンク傘下の英国のチップメーカー、ARMはファーウェイへの半導体の提供を停止すると宣言した。ARMは米国企業ではないが、同社は「米国にルーツを持つテクノロジー」を利用しているため、米国の規制対象となると述べていた。
ARMの決定はファーウェイの未来を脅かすものと受け止められた。なぜなら、ARMはほぼ全てのスマホの半導体製造に関わっているからだ。
しかし、ARMの法務部門は10月25日、この判断を見直し、ファーウェイへのチップの提供を継続すると発表した。同社は声明で、「Armv8-Aおよび次世代v9のアーキテクチャの、HiSilicon(ファーウェイ傘下のSoC開発製造会社)への提供を継続する」と述べた。
ARMによると、同社のアーキテクチャは英国起源のものであり、米国の禁輸対象ではないと判断したという。HiSiliconはファーウェイのモバイルプロセッサであるKirin 990の製造を手がけている。これは、米国の禁輸措置の影響を回避したいファーウェイにとって、非常に喜ばしいニュースだ。
米中の貿易面での対立は、解決の見込みが全く無い訳ではない。しかし、解決の時期がいつになるかは誰も予測できない状況だ。