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2019.10.31 11:00

「はたらいて、笑おう。」をスポーツ業界で実現。パーソルグループの挑戦

パーソルグループのスポーツビジネスチーム。(左より)芦澤直孝氏、山口世令奈氏、原英孝氏、大浦征也氏、高津直也氏、上妻裕史氏

スポーツ業界に多くの他分野の人材が入ってきている。スポーツ経験者だけでなく、個人のもつスキルを生かすという目的でスポーツビジネスの分野に入るトレンドのなかで、パーソルグループはどのような役割を担おうとしているのか


サッカーの鹿島アントラーズの経営権を取得したメルカリ。そして、スペインの名門・FCバルセロナとパートナー契約を締結した楽天、東京ヤクルトスワローズとトップスポンサー契約を結んだミクシィ……。これまでになく、スポーツとビジネスは近い関係にあり、優秀なマーケターやテクノロジーのスキルをもった人材が、スポーツの現場に携わろうとしている。

その背景のひとつに、政府が策定した「日本再興戦略」で提言された「スポーツ産業の潜在成長力を顕在化させ、我が国の基幹産業へ」がある。これは、2015年に5.5兆円であったスポーツ市場規模を、10年後の25年には3倍の15兆円にするといった数値目標などを掲げたものだ。スポーツを戦略の軸に置くとは、これまでなかったこと。ますます多くの人材がスポーツの領域に入ってくるだろう。

そして、この会社もまた、スポーツに深く関わっている。多くの人の“はたらく”をサポートしてきたパーソルグループだ。パーソルホールディングスがオフィシャルスポンサーを務めるパ・リーグとの協賛イベントや、各スポーツ団体との採用イベントを実施する。幅広くスポーツを支える同社の思いを聞いた。

グループビジョンは「はたらいて、笑おう。」これまでビジネスのフィールドでビジョンを追求していた同社。しかし、“はたらく”はビジネスばかりではない。音楽や芸能、エンタメの業界にも“はたらく”があり、また、スポーツにもある。

スポーツ業界の仕事といえば、球団や選手・監督に注目が集まりがち。しかし、現場は違う。表に出ないさまざまな仕事があり、そこに情熱やこだわりがあって初めて成立するのだ。そういった、普段、目の届かない分野にスポットライトをあてているのが、同社が運用するメディア「SPORT LIGHT(スポーツライト)」だ。


「スポーツ求人の窓口になることも目指す」(写真右・芦澤直孝)

著名な選手・監督だけでなくスポーツ業界で実際にはたらく人の物語を可視化。「スポーツ業界における華やかな部分だけではなく、読み手が想像できるギリギリのところを狙っている」という。狭き門と思われがちなスポーツ業界、仕事に就くことをゴールにする人も多いなか、実際にその先にどんな仕事があるのかを丁寧に描く。「この業界での“はたらく”について、正しくイメージしてもらう」という役割も担う。


「スポーツの舞台には多くの裏方の人がいて、彼らをクローズアップしたい」(高津直也)

「何をするよりも誰とする」を学べるスポーツ

「実体験上、人間形成の要素にスポーツがある」

こう語るのは、執行役員・大浦征也だ。大浦自身は野球一筋で学生時代を過ごし、甲子園を目指した。その日常にあったのが、仲間とともに鍛錬し、目標を目指し、規律を守り、自身を追い込む……。「何をするよりも誰とする」を学ぶかのように、仲間づくりを意識してきた。これがビジネスマンになったいま、人間形成のベースにあったと振り返る。こういったスポーツで培った仲間づくりの要素が、ビジネスパーソンの能力に非常に大きな影響を与えたという。実際に本プロジェクトも、想いをもつ仲間が自然と集まりスタートした。


「野球から多くのものを学んだ」(大浦征也)

いま、スポーツ業界が少しずつ変わってきている。夜明けはもうすぐだ。「これから10年、20年後は、ビジネスとスポーツの垣根がよりなくなるだろう」と大浦は予想する。その大きな理由のひとつに、これまでスポーツに携わってこなかった人の流入がある。2005年にプロ野球の変革があり、IT企業が業界に入ってきた。Jリーグもスポーツ経営人材を育成する取り組みを行っており、これが好評だ。その流れを汲んでBリーグもビジネス化を図る。

「スポーツに関わっていない人・企業が業界に訪れるようになった。この業界で働くことがより一般化される」(大浦)

同社の動きとしては、パーソルホールディングスとしてのパ・リーグスポンサーやリーグ協賛イベントも忘れてはいけない。2018年からパ・リーグオフィシャルスポンサーとなり、6球団公式戦における冠協賛試合のほか、さまざまな施策を実施。


「球団やクラブの経営だけがスポーツビジネスではない」(上妻裕史)

パ・リーグ6球団とパシフィックリーグマーケティング株式会社の、「プロ野球界、スポーツ界の発展を通して、日本の社会全体を明るく元気にしていくこと」といったビジョンが、パーソルグループのそれと合致したと、大浦は振り返る。

また、パーソルキャリアとしては3人制バスケットの3×3にも協賛。この競技に参加する15%はBリーグ選手だが、それ以外は会社員。これが現状なのだ。例えば、優秀な大学生が、卒業時に会社員を選べばプロ選手への道が途絶える。「二兎を追って二兎得ていいんだよという環境を提供したい」と、積極的に協賛を決めた。



「スポーツへの関わり方の選択肢が増えていることを感じる」(山口世令奈)

スポーツ業界以外の人が集まる業界へ


スポーツ業界への転職トレンドはどうか。「テクノロジーをいかに取り込むか」、これはスポーツ業界も同じのようだ。また、集客やブランディングを行うマーケティングも。そして、特にいまはリーガルやガバナンス強化を行う企業も多いようだ。「スポーツ業界に多くの他分野の人材が入ってきている」、取材中に何度も聞いた言葉がこれ。スポーツ経験者だけでなく、個人のもつスキルを生かすという目的でこの分野に入るのだ。


「僕自身はサッカー。ここにいるメンバーは皆、スポーツに感謝している」(原英孝)

最後に大浦は、「みなさんが思っているより、特殊な専門性がなくても、スポーツ業界に転身している人はたくさんいる」と教えてくれた。

スポーツが産業としてビジネス化する中で、一般的なビジネススキルが求められてきている。いや、“人間力”だけでも十分な武器になる。スポーツの世界は明らかに変革の時を迎えている。


スポーツ業界でのはたらき方を考える中途採用イベント

パーソルホールディングスは、パ・リーグ6球団と、パシフィックリーグマーケティング株式会社とともに、「スポーツ業界における等身大のはたらき方」と「ビジネスとしてのスポーツの未来」を紹介する中途採用イベント「スポーツキャリアフォーラム by doda」を6月に開催。

公益社団法人日本フェンシング協会会長の太田雄貴と大浦が対談した。会場には、キャリアアドバイスの専門資格をもつアドバイザーに転職活動に関する相談ができる「キャリアアドバイザーコーナー」も設けられていた。


選手として、現在はビジネスパーソンとして日本フェンシング界をけん引する太田が、両方の視点から見たスポーツビジネスについてトークした。


【SPORT LIGHT】スポーツを仕事に!
https://doda.jp/sportlight/

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