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2019.10.23

世界最長、20時間の直行便が試験飛行 体への影響は?

シドニーとニューヨークを直行便で結ぶ、初の試験飛行を行なったカンタス航空(Photo by James D. Morgan/Getty Images for Qantas)


航空機の種類

これは私にとって個人的に重要な点だ。米航空会社の多くは、アジアや中東の航空会社ほど機材の現代化が進んでいない。旧型のボーイング767や777-200での長距離便を利用すると、着陸時に古い機材の影響や客室の高い気圧の影響を感じることになる。超長距離便に乗るときには、787-9型など最新の航空機を利用する価値があるだろう。カンタス航空はプロジェクト・サンライズの試験飛行で同型機を使用した。

787型の空気ろ過システムは、空気を乾燥させる刺激物を取り除くことができる。またボーイングによれば、同型機の客室の気圧は高度8000フィート(約2400メートル)相当ではなく同6000フィート(約1800メートル)相当に保たれており、これにより時差ボケと頭痛が軽減されるという。時差ボケが完全になくなることはないが、他の多くの機体よりも時差ボケに対処しやすくなることは間違いない。

放射線

これは乗客の多くが考慮していない点だ。飛行機に乗る回数が少ない人は心配する必要はほとんどない。一方で長距離便、特に北極・南極を通る航路によく搭乗している人は、宇宙に近い場所を通ることによってより多くの電離放射線にさらされている。

例えば、エアバスA350型を使ったシンガポール航空のニューヨーク発シンガポール行き直行便は、北極点のほぼ真上を通る。これにより宇宙との距離は近くなるものの、毎日乗るのでない限りあまり心配する必要はない。これはむしろ、乗客ではなく乗員にとっての問題となる。

編集=遠藤宗生

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