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2019.10.21 06:30

業務コミュニケーション「RingCentral」、株価急騰で新ビリオネア誕生

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ウクライナ生まれの起業家、ヴラッド・シュムニスは先日、ビリオネアの仲間入りを果たした。シュムニスは業務コミュニケーションツールを提供する「リングセントラル(RingCentral)」のCEOだ。カリフォルニア州ベルモント本拠の同社は、企業向けにクラウドベースの電話やメッセージング、ビデオ会議などのツールを提供する。

リングセントラルは10月3日、通信ネットワーク機器メーカーの「アバイア(Avaya)」との戦略的提携を発表した。リングセントラルはアバイアに、5億ドル相当の株式及び現金を支払うのと引き換えに、アバイアのライセンス及び今後の売上を得ることになる。

さらに、リングセントラルはアバイアに1億2500万ドルを出資し、アバイアの優先株6%を取得する。

リングセントラルの顧客数は200万人だが、この提携でアバイアの1億人のユーザーにアクセス可能になる。アバイア側は新たな資金で負債を圧縮できる。投資家らはこの動きを歓迎し、提携のアナウンス後にアバイアとリングセントラルの株価は、それぞれ30.7%と28%の上昇となった。

アバイアの株価は10月9日がピークとなったが、リングセントラルの株価はその後も上昇が続き、17日の取引を170.17ドルで終え、3日以降に40.3%の値上がりとなった。リングセントラルの時価総額は141億ドル(約1.5兆円)に達している。

フォーブスはリングセントラルCEOの、シュムニスの保有資産を13億ドルと推定している。シュムニスは同社の株式の8.5%とオプションを保有している。共同創業者でCTOのVlad Vendrowも6億ドル相当の株式を保有していることが、直近の開示資料に記載されている。

シュムニスは1970年代に、家族と共に米国に移民としてやってきた。サンフランシスコ州立大学でコンピュータ・サイエンスを学んだ彼は、卒業後にシリコンバレーのスタートアップでエンジニアとして働いた。「自分はソフトウェアのエンジニアとして、十分食べていけると思った」と、彼は2017年のフォーブスの取材に話していた。

「しかし、その後、自分が顧客のニーズを即座に把握し、エンジニアにすばやく指示を出す能力を持っていることに気づき、かなり早い段階でマネージメントの仕事を行うようになった」と彼は話した。

リングセントラルを設立する以前に、シュムニスは1992年に企業向けコミュニケーションツール企業のRing Zero Systemsを立ち上げ、1998年に非公開の金額でモトローラに売却していた。その後、1999年にVendrowと共にリングセントラルを設立し、2013年に上場させていた。

編集=上田裕資

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