スペースシャトルの4分の1ほどの大きさのドリーム・チェイサーの機体は、全長約9メートルで、再利用可能な宇宙船となっている。この宇宙船は国際宇宙ステーション(ISS)に物資を輸送するために開発され、将来的な有人飛行も視野に入れている。
SNCは先日、ドリーム・チェイサーの最終組立を行うコロラド州の工場のイベントで、機体の1次構造を披露した。機体の主要部分を構成するこのパーツは重量約1トンで、素材には炭素繊維強化プラスチック(CFRP)などが用いられている。
SNCのプレジデントのEren Ozmenは声明で「米国製の宇宙船を、NASAのミッションで打ち上げる日に一歩近づいた」と述べた。
ドリーム・チェイサーはNASAの商業補給サービス2(CRS-2)の契約を結んでおり、2021年に第1弾の輸送を計画している。この宇宙船は1回あたり5500キロの貨物や実験器具をISSに輸送可能とされる。
打ち上げにはボーイングとロッキード・マーティンの合弁事業である、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)のヴァルカンロケットを用いる。
ドリーム・チェイサーは翼を持ち、地球に戻る際は自力で飛行し滑走路に着陸するため、宇宙から資材や実験器具を持ち帰ることが可能だ。現状で同じ能力を持つ宇宙船は、スペースXのドラゴンカプセルのみとなっている。
NASAによると、ドリーム・チェイサーは最大で15回の再利用が可能な宇宙船だという。「現在の契約は6回の飛行となっているが、契約が延長された場合でも、ドリーム・チェイサーは対応できる」とNASAは述べた。
2017年にSNCはフリーフライトと呼ばれるテストを実施し、ヘリコプターから投下されたドリーム・チェイサーが滑空し、着陸可能であることが確認された。NASAはその翌年の12月に、ドリーム・チェイサーをISSのミッションで利用することを決定した。
製造の最終段階を迎えた今、SNCは貨物モジュールの製造を2020年2月までに完了し、2020年末までに左側の翼を完成させ、2021年1月には右の翼を完成させる計画だ。全てが順調に運べば、2021年にこの画期的な宇宙船が飛び立つことになる。