ビジネス

2019.10.11

アドビ、成長の原動力は世界最大規模のデザインチーム

アドビのデザイン担当バイスプレジデント ジェイミー・マイロルド

クリエイティブの世界でその名を知らぬ人はいない、ソフトウェア会社のアドビ。デザイン・グラフィック、パブリッシング、映像・音声編集、Web制作まで、クリエイティブ系ソフトウェアはもちろん、最近は次世代アプリやAI、ARやVRまでさらに事業の幅を拡げている。

グローバル企業であるアドビは、アドビデザインという大規模なデザインチームを抱えている。そしてそこには、成熟したDesign Opsチームが存在している。驚くべきことに、アドビのDesign Opsは2006年にひとりのデザインプログラムマネージャーから始まったという。

今回はアドビのプロダクトデザインについて、また大規模なデザイン組織でDesign Opsがどのように機能しているのかについてを、アドビデザインのVice Presidentであり、直接Design Opsチームを率いているジェイミー・マイロルド(Jamie Myrold)氏に話を聞いた。

アドビデザインのバイスプレジデントとして、10年以上にわたり大規模なデザインに関するさまざまな取り組みを主導し、同社の次世代デザインツールの開発をリードしている。彼女の影響力はアプリケーションの再構築とリデザインをだけでなく、 アドビのデザインビジネス全体にも及ぶ。

ジェイミーはデザインリーダーたちに、チームの境界を押し広げ、ビジネス戦略とプロダクト制作のあらゆる側面に役立つガイドラインを定義するリーダーシップスキルを身に付けることを奨励している。

アドビのプロダクトデザインチーム



──まず、あなたが率いるデザインチームの役割と構成、また社内での立ち位置を教えてください。

「私のチームは、アドビの3つのプロダクトライン(Creative Cloud、Document Cloud、およびExperience Cloud)のすべてのソフトウェアをデザインしています。メンバーはデザイナー、研究者、プロトタイプ作成者、コンテンツストラテジスト、そしてDesignOpsチームなど約350名からなるグローバルチームです。スペクトルと呼ばれる社内デザインシステムに特化したチームもあります。」(ジェイミー・マイロルド)

──デザインはアドビのプロダクトにどのように貢献しているのでしょうか?

「私たちはソフトウェアをデザインしているので、ほとんどすべての作業で、プロダクトマネジメントとエンジニアリングが直接連携しています。そして各プロダクトごとにデザインチームを組織しています。たとえば、デジタルイメージング組織に所属するPhotoshopには、Photoshopに特化したプロダクトエクスペリエンスを担当するデザインチームがあります。そして各デザインチームには、彼らと提携し、デザインの運用面を担当するデザインプログラムマネージャーがいます。」(マイロルド)


Photoshop

──各デザインチームの構成人数は?

「チームによってデザイナーの人数は異なります。人数は、各ビジネスユニットから受けている予算に応じて変わります。そのため、デザインをより重視し、より多くの予算を分配できるプロダクトには、より多くのデザイナーを提供します。プロダクトチームには、さらに機能ごとに細分化されたプロジェクトがあり、デザイナーはそれぞれ複数のプロジェクトに同時に取り組んでいます。Photoshopの場合、少なくとも10〜15人のプロジェクトマネージャーがいて、デザイナーは同時に1〜3個のプロジェクトに入っています」(マイロルド)
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文=リー・コーリー

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