サンタモニカ本拠のBirdは2017年の設立から急拡大を遂げ、わずか1年強でユニコーン企業に成長した。同社の累計資金調達額は約7億ドルに達しており、既存出資元のセコイア・キャピタルやカナダのケベック州貯蓄投資公庫CDPQも今回の出資に参加した。
しかし、電動キックボードの、シェアビジネスに対する投資意欲には減退も見られる。Birdは競合のLimeや新たに参入したリフトやウーバーの追い上げに直面している。ただし、ウーバーは傘下のJumpの車両をアトランタやサンディエゴから引き上げた。Birdも今年3月に社員の5%をレイオフし、事業の持続性についての懸念を払拭しようとしている。
Birdの創業者でCEOのTravis VanderZandenは、今回の調達のアナウンスにあたり、市場に変化が訪れていることを認めた。「この市場では新興分野への熱狂が去りつつある。今後は収益性の改善をゴールとしていく」
背景にはテック分野全体を取り巻く、市場環境の悪化もあげられる。コンシューマーテック分野では今年、ウーバーやリフト、フィットネスのPelotonらがIPOを果たしたが、株価は冴えない状況で、投資家らは収益性に厳しい目を向け始めている。
セコイア・キャピタルらからの後押しを受けたBirdは、非上場企業として他を圧倒するポジションを築けてはいるが、黒字化に向けて厳しいプレッシャーにさらされている。