センサーが織り込まれた布地や生地に触れるだけでスマートフォンの操作ができるグーグルの「Jacquard」テクノロジーを搭載した、リーバイスのスマートジャケット「Levi’s Trucker Jacket with Jacquard by Google」が、10月5日、日本国内で初めて発売される。
この新製品は、リーバイスの定番アイテム「トラッカージャケット」の左袖に両社が共同開発した導電性の繊維「導電糸」が埋め込まれており、スマートフォンとペアリングすることで、音楽再生やマップの利用、通話などの動作をジャケットに触れるだけで利用できるようになる。
「2回叩く」、「上下へのスワイプ」、「手で覆う」というユーザーの動きに応じて、スマートフォンの起動する動作が異なる。
新製品の発売に合わせて来日をした「リーバイ・ストラウス・アンド・カンパニー」のグローバル・プロダクト・イノベーション担当、ヴァイスプレジデントのポール・ディリンジャーは、このジャケットを通じて「常にスマホと向き合わなくてもいい日常」を実現したいと語った。
車がないと生活をすることのできないエリア、リーバイス本社のあるサンフランシスコも、グーグル本社のあるマウンテンビューにも、運転中にスマホを触っているドライバーが多くいる。
「このスマートジャケットを着用すれば、ドライバーはスマートフォンを見ることも触れることもなく、運転中に音楽や通話を楽しむことができるようになります。
頻繁にスマートフォンをどこに置いたか忘れてしまう僕みたい人にとっては、毎回スマートフォンを探す煩わしさから解放されることにもなりますよね。
常に人々の生活の質を向上させることを目的としてきたリーバイスにとって今回の新製品は、誰にとってもテクノロジーが身近になった現代において、商品化をしなければならなかったアイテムでした」(ポール・ディリンジャー)
Google ATAP Project Jacquardテクノロジーインテグレーションリードを務め、「Project Jacquard」で2016年のカンヌライオンズでグランプリを受賞したアーティストの福原志保は、今回の両社のコラボレーションは、なるべくして成立したと振り返った。
「誰もが知るように、ゴールドラッシュ時代の金鉱で働く人々の声を聞いてワークパンツを開発したリーバイスは、デニムのことはもちろん、洋服を着る人々のことを理解している老舗ブランドのひとつ。生活の様々なポイントに関わる、私たちグーグルも学ぶべきことが多いブランドです。
ファッションを通じて新しい日常を実現するための、もっともふさわしい最初のパートナーでした。今後も機能の改良、他のファッションブランドとのコラボレーションも計画しています」(福原志保)
ジャケット一着で生活が大きく変わるまでには時間がかかるはずだが、両社が目指す「常にスマホと向き合わなくてもいい日常」は、どれだけ日本で普及するだろうか。