ウェストは昨年10位で、年収は2750万ドルだったが、2009年に立ち上げたスニーカーブランドの「Yeezy(イージー)」からの収入を増やした。彼はこのブランドをアディダスとのコラボで展開し、スニーカー分野でマイケル・ジョーダンのプロダクトを追い上げようとしている。
ジョーダンのシューズの年間売上はおよそ30億ドルとされている。一方で、フォーブスの試算でYeezyの売上は2019年に15億ドルに達する見通しだ。
2位は年収8100万ドルのジェイ・Zだった。3位には年収7500万ドルのドレイクが入った。上位20位までのヒップホップアーティストの年収の総額は、8億6000万ドルに達し、昨年の6億4800万ドルから33%の上昇となった。ランキング入りの最低ラインは過去最高額の1800万ドルに達した。
アルバム「Astroworld」を世界中でヒットさせ、同名のツアーも成功させたトラビス・スコットは年収5800万ドルで5位に入った。自身としては最高額の年収4000万ドルを稼ぎ出し、7位に入ったDJキャレドもエアジョーダンとのコラボのスニーカーで、収入を増やした。
音楽以外で莫大な富を得たアーティストは他にも居る。4位のDiddyはCirocウォッカやDeLeonテキーラ、Aquahydrateウォーターとの提携といったビジネスから巨額の収入を得ている。
18位のベテランラッパーのナズ(年収1900万ドル)は、ベンチャー投資家としても活躍し、自身の投資会社「QueensBridge Venture Partners」を通じ、リフトや仮想通貨取引所のコインベースに出資し、莫大なリターンを得た。
エンタメ業界は男女の収入格差が大きいことで知られるが、ヒップホップ界においてもその状況は同じだ。今年、本ランキング入りを果たした女性はわずか2名で、13位のカーディ・B(年収2800万ドル)と、12位のニッキー・ミナージュ(年収2900万ドル)のみだった。26歳のカーディ・Bは、今年の最年少アーティストとしても注目される。
フォーブスは今回のランキング作成にあたり、各アーティストが2018年6月から1年間で得た報酬の合計値を試算した。集計にあたってはニールセンやポーラースター等のデータを参照したほか、一部のアーティストや関係者には直接取材も行った。
下記に2019年版の「最も稼いだヒップホップアーティスト」ランキングの10位までのメンバーと、その年収を掲載する。
1位:カニエ・ウェスト/ 1億5000万ドル
2位:ジェイ・Z/ 8100万ド
3位:ドレイク/ 7500万ドル
4位:ショーン・コムズ (Diddy)/ 7000万ドル
5位:トラビス・スコット/ 5800万ドル
6位:エミネム/ 5000万ドル
7位: DJキャレド/ 4000万ドル
8位:ケンドリック・ラマー/ 3850万ドル
9位:ミーゴス(Migos)/ 3600万ドル
10位:チャイルディッシュ・ガンビーノ/ 3500万ドル