司法省によるとスノーデンはNSA(米国国家安全保障局)とCIA(中央情報局)で勤務を開始する際に、機密保持契約を結んでおり、彼と出版社が今回の著書から得た収入を全て当局に支払うことを求めている。今回の訴えは、回顧録の出版中止を求めるものではない。
フォーブスは発行元のマクミランにコメントを求めたが、回答は得られていない。司法省は「諜報機関が収集した情報は国家を守るために用いられるものであり、個人に富をもたらしてはならない。今回の訴訟はエドワード・スノーデンが国家の信頼を破り、富を得ることを防ぐためのものである」と述べた。
スノーデンは「この本には、政府が隠しておきたい事実が書かれている」と話している。
「出版社は本の表紙に、政府の反論を引用して記載するべきだ。CIAとNSAの双方が、危険すぎる読み物であるとお墨付きを与えた書物は、他にないはずだ」とスノーデンはツイートした。
スノーデンは香港に滞在中だった2013年に、NSAによる国際的監視網(PRISM)の実態を告発した。米司法省は彼の身柄を引き渡すよう香港政府に要請したが、その後、ロシア政府がスノーデンに滞在許可を与え、その後も彼はロシアに留まっている。
スノーデンは現在、プライバシー保護活動に力を入れ、米国政府に対し、彼がリークした情報が実際に被害を及ぼした証拠を示すよう求めている。