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2019.09.19

WeWorkと配車大手2社が持つ恐ろしい共通点

Tada Images / Shutterstock.com


企業の根本的問題

だが、それでもWeには、より基本的な問題がある。毎月の現金燃焼がおよそ2億ドルに上ることだ。

スケーラブルなビジネスモデルは、急速に成長するにつれて事業の効率性が大幅に上昇することから、販売や顧客へのサービス提供といった主要なビジネス・プロセスに必要な現金が大幅に減少する。企業は当初の顧客を獲得した後、すぐにもこれを実現させる必要がある。

ウーバーとリフトにはWeと同様、スケーラブルなビジネスモデルがない。さらに、両社が事業を行っているのは、市場シェアを獲得するための競争が料金の値下げを招いても、サービスを提供するための(ドライバーの賃金という)コストが膨らみ続ける業界だ。その上ウーバーは、ドライバーによる顧客の不当な扱いが報じられており、評判が悪化している。

ウーバーは2019年5月、リフトは同年3月にIPOを果たしたが、株価は上場以降、それぞれ21%、50%下落している。つまり、両社は投資家に恩恵をもたらしていない。両社は損失を出し、現金を燃やし、成長の速度を緩めている。

投資家たちはなぜ、こうした企業の株を購入するのだろうか?サービスを気に入っているのだから株を買わなくてはと思い込み、分別を失ってしまうのかもしれない。だが、それは投資家としては良くない考え方だ。気に入ったとしても、スケーラブルなビジネスモデルがない限り、その企業の株を購入すべきではない。

編集=木内涼子

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