この調達を主導したのはeスポーツの投資ファンドのBitkraftと、ビルボードやハリウッド・レポーター等のメディアを束ねるValence Mediaを傘下に持つ投資企業のEldridge Industriesだ。
元ヴィヴェンディ・ゲームズのBen Kusinと、ライアットゲームズのeスポーツ部門主任だったAriel Hornらが設立したVENNは、ゲームに特化したコンテンツを24時間配信しようとしている。
VENNはゲームを題材としたリアリティ番組やドキュメンタリーの製作も手掛けるという。「ユーチューブとTwitchの隙間とも言える領域には巨大なポテンシャルが眠っている」とKusinはフォーブスの取材に述べた。
VENNのシード資金調達には、eスポーツ分野の重鎮らが顔を揃えている。世界で最も人気のeスポーツリーグであるLeague of Legendsを生み出したライアットゲームズ共同創業者のMarc Merrillや、アマゾン傘下のTwitch共同創業者のKevin Lin、ブリザードエンターテイメントの創業に関わったMike Morhaimeらだ。
VENNの共同創業者のHornは、ライアットゲームズのeスポーツ部門を立ち上げ、2017年には北京でイベントを開催した。昨年、中国のInvictus Gamingと欧州のFnaticが激突した世界大会は、9960万人の視聴者を獲得していた。
しかし、eスポーツ分野は巨大な人口を抱えつつも分裂状態にあるというのが、Kusinの見方だ。「コアなゲーマーと一般的なユーザーの双方が満足できる、コンテンツのプラットフォームを目指したい」
彼らがやろうとしていることは、非常に大きな賭けと言える。しかし、この分野ではホンダがLeague of Legendsの北米大会の独占パートナーを務めるなど、巨大な広告収入が期待できる。
VENNには、ドイツのメディア関連の複合企業ベルテルスマンの投資部門や、ラジオ業界大手のCumulus Media、ゴルフゲームのWorld Golf Tourの共同創業者のYuChiang Chengらも出資を行っている。