ブリティッシュ・エアウェイズは、アイルランドの代表的航空会社エアリンガス航空やスペインのイベリア航空に加え、他にも航空会社の資産を抱える持ち株会社インターナショナル・エアラインズ・グループ(IAG)が所有している。同社は、商業廃棄物を飛行機の燃料に変える施設を英ハンバー川付近、ノース・イースト・リンカンシャーのイミンガムに建設する計画を提出した。
欧州初となる同ベンチャー事業は、石油大手の英蘭ロイヤル・ダッチ・シェルと、ロンドン証券取引所に上場している再生可能燃料の小型株企業、ベローシーズ(Velocys)の子会社であるアルタルト・イミンガム・リミテッド(Altalto Immingham Limited)と共同で行われている。ブリティッシュ・エアウェイズは、より広範な炭素排出量削減・持続可能性戦略の一環として、同施設で生産されたジェット燃料を購入し、同社の航空機に活用すると述べた。
計画では、リサイクルできない家庭・商業ゴミを年間約50万トン引き取り、熱化学処理や触媒生成などの処理を通して分解することで持続可能な飛行機のバイオ燃料に変えることになっている。
ブリティッシュ・エアウェイズは、プロジェクトパートナーと共にこの活動に取り組むことで、従来の化石燃料1トンをバイオ燃料で置き換えるたびに温室効果ガスを70%削減できるだけでなく、英国における廃棄物を焼却や埋め立てよりも炭素排出量が低い方法で処理できるようになると述べている
今回のような新たな分野への進出は、シェルやベローシーズにとって珍しいものではない。しかし、燃料精製工場の所有は業界でも珍しく、航空会社としては大胆な動きだ。デルタ航空は2012年、燃料費ヘッジというブリティッシュ・エアウェイズとは非常に異なる目的のため、米ペンシルベニア州のトレイナー製油所をフィリップ66から買収した。しかし、航空業界でこの動きに続く企業はあまり現れなかった。