今回、正式に導入された交通警察ロボットは、3つのタイプに分けられている。まずひとつが「道路パトロールロボット」、ふたつめが「車両管理ロボット」、そして「事故警戒ロボット」だ。
道路パトロールロボットは、自動ナビゲーションシステムおよび車両違法行為認識システム、写真撮影機能などを備えている。主要な機能としては、自動パトロール、注意事項の広報、人間と車の認識、自己防衛、データベース認証、自動充電などである。道路パトロールロボットは、信号機とも連動している。顔認識機能や言語警告機能を使って、信号を守らない歩行者に警告を促し、最悪の場合には証拠を残すため写真撮影も行う。
車両管理ロボットは、その名の通り主に車両管理所にて運用されるロボットだ。主な機能は顔認識。対象を確認して、資格がある対象に関してはさまざまなサービスを提供してくれるという。HMI(ヒューマンマシンインターフェース)技術が備わっており、音声による受け答え、あるいはディスプレイへの文字表示などで人間の要求やオーダーに応えることができるという。指名手配犯など容疑者、もしくは突発的な事件を発見した際には自動的に警察に情報を送る機能も備わっている。
事故警戒ロボットは、交通事故処理の現場に導入される。事故現場の周辺で警告を与え、運転者もしくは他の人々が二次被害を被ることを防ぐ。
要約すると、駐車違反の車を取り締まったり、運転免許証の確認を支援したりと、これまで人間が行ってきた作業を代替することができるということになりそうだが、邯鄲市の公安当局は、駅や空港など公共施設で各ロボットを24時間にわたり活用することで、最終的に現地の交通警察官の業務負担を削減することを目標に掲げているとしている。
これまで、パトロールロボットの開発などについては全世界からニュースが伝えられてきたが、実際に警察が現場に導入するケースは初めてとなるかもしれない。仮にロボットが不意の攻撃を受けたり、炎天下、もしくは寒さによって動かなくなった場合どうするのかなど、具体的なフォロー案については言及されていない点などが気になるが、警察業務の自動化という文脈では大きなターニングポイントになるかもしれない。
連載:AI通信「こんなとこにも人工知能」
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