グーグルは8月5日の公式ブログで、来年以降に出荷する全プロダクトを、二酸化炭素の排出を実質的にゼロにするカーボンニュートラル対応にしていく方針を明らかにした。そこに含まれるのは、スマホやタブレット、スマートスピーカーなどだ。
同社が環境保護を打ち出す姿勢の背後には、プロモーション的な意図もあると考えられる。しかし、スマホが環境に与えるダメージは実際にかなり大きなものだ。
スマホの製造には希少なレアメタルの採掘が必要であり、廃棄される端末は深刻な環境汚染を引き起こしている。世界のスマホメーカーが毎年、新製品を投入するなかで、状況の悪化が続いている。
アフリカではe-wasteと呼ばれる、電子デバイスの廃棄物が食品汚染の原因となっている。しかし、多くのスマホメーカーらは競合と戦う上で、この問題から目をそむけようとしているのが現実だ。
グーグルは以前から環境保護の方針を打ち出しており、2011年から2016年にかけてProject Araと呼ばれる取り組みで電子デバイスが生み出す廃棄物を軽減しようとしていた。しかし、このプロジェクトは2016年に中止が宣言され、その根本にあったアイデアがPixelに受け継がれることになった。
世界の大手スマホメーカーも環境に対する取り組みを進めている。中国のシャオミは先日公開された特許資料で、太陽光発電バッテリーを用いたスマホを開発中であることが判明した。
グーグルがサステナビリティ向上を目指す動きは、歓迎すべきものだ。それがどのようなものであれ、環境に優しいプロダクトは前向きに捉えられるべきものだろう。グーグルは年内に新たな3機種のスマホをリリースしようとしている。今後の課題となるのは、ビジネスの収益性とサステナビリティを両立させることだろう。