レオナルド・デル・ベッキオが1961年に創業したルックスオティカは、グランドビジョンの支配株主HALから株式76.72%を取得し、世界7200店舗で3万7000人の従業員を抱える同社の支配権を獲得する。グランドビジョンの昨年の売上は45億2000万ドルだった。
最終的な買収額は80億ドルに及ぶ可能性がある。グランドビジョンは欧州やラテンアメリカ、中東などの40カ国で店舗を運営し、従業員の70%以上が女性とされる。
ルックスオティカ会長でビリオネアのデル・ベッキオは、グランドビジョンを傘下に収めることは長年の夢だったと述べた。レイバンをはじめ、オリバーピープルズやOakley、Persolなどのブランドを保有するルックスオティカは、世界最大のアイウェアメーカーとして知られる。
同社はジョルジオ・アルマーニやバーバリー、シャネル、マイケル・コース、プラダともライセンス契約を結び、アイウェアの製造を行っている。パリのユーロネスト証券取引所に上場するルックスオティカの時価総額は約575億ドルだ。
25歳でルックスオティカを創業したデル・ベッキオの保有資産は223億ドルとされる。1935年生まれのデル・ベッキオは、貧困家庭に育ち7歳で孤児院に送られた。彼は14歳で車や眼鏡の部品を製造する工場で働き始め、夜間学校で産業デザインを学んだ。
彼の息子のクラウディオ・デル・ベッキオは現在、米国のアパレル大手「ブルックス ブラザーズ」のCEOを務めている。