彼らは21歳以上の米国人たちよりも、銃乱射事件や自殺、気候変動、不法移民の親と子供が引き離されていること、セクシャルハラスメントなどに関するニュースからより大きなストレスを受けている。
この世代の若者たちが、同年代の仲間が抱える最大の問題として挙げるのは、不安障害とうつ病だ。違法薬物やアルコール、貧困、妊娠、非行、いじめといったその他の主要な問題よりも、はるかに多くの若者がこれらに懸念を持っている。また、こうした懸念は、家庭の所得水準とは無関係だ。
彼らの大半は、自分の記憶にある限り、現在の米国は歴史上最悪の状態にあり、今の政治状況は重大なストレス要因だと考えている。また、投票権を持つ10代の若者は、その他のどの年齢層と比べても、投票に対する意欲が低い。
新たなビジネス機会
こうした考え方の変化を受け、企業は新たな取り組みを始めている。若者を中心にうつ病や不安障害に悩む人が増加する中、ブランドにとっては道徳的な面でもビジネスの面でも、新たな機会が生まれている。
米ファストフード大手のバーガーキングは今年、メンタルヘルス啓発月間の5月にNPOのメンタルヘルス・アメリカと提携。マクドナルドの「ハッピーミール」の逆を行く「リアル・ミール」を販売した。「Pissed(腹が立つ)」「Blue(憂うつ)」「Salty(イラつく)」「YAAAS(やったー!)」「DGAF(知るか)」の5種類をつくった目的は、多くの人に「大丈夫じゃない、でも大丈夫」と伝えるためだったという。
グーグルの検索データを使用して消費トレンドを予測する米スペイト(Spate)の創業者、グーグル出身のオリビエ・ジマーは、不安障害に対する関心は今後も急速に高まると予想している。
より多くの消費者が、人間関係や睡眠に関する問題とそれらの解決策を調べるようになると見込んでおり、例えば「不安」に関連する次のような製品の売り上げが伸びるとみている。
・CBD(カンナビジオール:麻に含まれる成分の一つ。ペットの犬用に探す人も増加)
・ブランケット(重みのあるものが、不安を和らげるとされる)
・サプリメント(カフェイン、マグネシウム、ビタミンなど)
・サービス/学習(鍼治療や瞑想など)