岡本社長は、まず冒頭でファンや関係者への謝罪を述べてから「宮迫くんと田村亮くんにああいう記者会見をさせてしまったことに対して深くお詫び申し上げます。非常に辛い思いをさせてしまい、申し訳なく思っています。処分の撤回や見直しをして、いつの日か戻ってきてもらえるようなことがあるならば全力でサポートしていきたい」と話した。その後、同じような発言のくだりで、20秒ほど沈黙があり、ハンカチを出して涙をふいた。
また、今回の件で「コンプライアンスの徹底」と「芸人、タレントファーストで物事を考えること」が至らなかった点について責任をとり、コンプライアンス徹底のさらなる強化、そして岡本社長と吉本興業ホールディングスの大﨑洋会長については、50%の減俸を1年間続けると語った。
宮迫は、ロンドンブーツ1号2号の田村亮らとともに、2014年、振り込め詐欺グループの宴会に出席。宮迫は100万円、田村は50万円をそれぞれ受け取っていたことが、FRIDAYの報道で明らかになっていた。最初は記憶がないと主張していた2人も、その後、事実を認めた。
宮迫と田村の2人は、20日に都内で会見を開き、吉本興業側に対して「謝罪会見を開きたい」と求めたが、「会見したら全員連帯責任でクビにする」などと岡本社長から圧力を受けていたと述べた経緯もあり、会見での岡本社長の発言に注目が集まっていた。
宮迫や田村は問題発覚当初、金を受け取っていないと虚偽の説明をしていたが、吉本の内部調査で報酬を受け取っていたことが判明。謹慎処分となっていた。
その後、FRIDAYが7月19日発売号で、宮迫が金塊窃盗事件で有罪判決を受けて控訴中の被告と同席しているとされる写真が報道され、吉本は「諸般の事情を考慮し、今後のマネジメントの継続に重大な支障が生じた」と契約解除を発表していた。
20日の記者会見では、宮迫と田村は、6月に謝罪会見を開きたいと岡本社長に伝えたところ、「お前らテープ回してないやろな」と念押しされ、「やってもええけど、ほんなら全員連帯責任でクビにするからな。俺にはお前ら全員クビにする力がある」などと言われたとも語った。
一方、2人は生放送ありの会見を求めたが、吉本側からは「在京5社、在阪5社のテレビ局は吉本の株主だから大丈夫やから」と応じてもらえなかったことも明かした。
また、2人が独自に弁護士を立てて吉本との話し合いを依頼したことについて、吉本側の弁護士から「2人が弁護士をつけたことを上層部は悲しがっている。ファミリーなのに」と言われたとも明かした。田村は「ファミリーなら、僕は子ども。子どもが正しいこと、本当に悪いことを謝ろうとしているのを止めるのが親ではない。それをやられて不信感しかなくなってしまった」と会見で涙を流した。
問題発覚後の6月28日、大﨑洋会長はForbes JAPANの取材に応じ、次のように応えた。
「会社とそれぞれの芸人たち、マネージャーとの信頼性みたいなことをどうにかする方法はまだあったんじゃないかと思いますけどね。この仕事はやらなくていいんじゃないかとか、そっちへ行ったら危ないよっていうのは、疑似家族や仲間としてもう少し言える方法を見つけないといけないなと思います」
岡本社長の会見を受け、今後の吉本興業の芸人、タレントたちの出方にも注目が集まっている。