中国でDeepBlue Technologyというスタートアップが注目を浴びている。2014年に上海を拠点に設立され企業で、服をデザインするAI「DeepVogue」を開発している。
DeepBlue Technologyは、先ごろ開催された「中国ファッションデザイン革新大会」に参加。約50名の審査員が見守るなか、16チーム中2位の成績を上げた。同大会は、中国服装協会と上海ファッション都市推進センターが共同で主催した大々的なイベントで、フランスのESMOD、ヨーロッパ・デザイン学院(Istituto Europeo di Design)、 北京服装学院(Beijing Institute Of Fashion Technology)、清華大学美術学院、香港理工大学などファッション名門学校が参加チームとして名を連ねていた。
DeepBlue Technologyの“AIデザイナー”が生み出した作品は、審査員から高い評価を受けた。中国ファッション業界の開拓者として呼ばれるMark Cheung氏は、DeepVogueがデザインした作品は、国際的なファッションショーのランウェイに登場してもおかしくないと賛辞を送っている。
他の審査員たちも、人工知能がデザイナーを完全に代替することは難しいかもしれないが、ビックデータを活用しユーザーの美的感覚をデザインに落とし込むというアプローチには未来的な展望があると評価した。
DeepBlue Technologyは、4月に開催された「アジア太平洋地域・知識発見およびデータマイニング学術界」(PAKDD 2019)の「Automatic Machine Learning Challenge」でも優勝を果たしている。同大会には、北京航空宇宙大学、清華大学など中国の代表する研究チームが参加していた。
なおDeepBlue Technologyは、ファッションに特化したAI企業というわけではない。今後、スマートロボット、自動車、流通、セキュリティ、スマートシティなど、より広範に自社のAIを実装していく計画だとしている。中国では、センスタイムやアイフライテックなど世界的な知名度を誇るAI企業があるが、DeepBlue Technologyもその一角となるか注目したい。