米コンサルティング企業のウォルフ・マネジメント・コンサルタンツ(Wolf Management Consultants)によると、米国の労働者の大半が月に出席する会議数は61.8だ。そのうち、会議中に空想することがあると認めた人は91%、会議を欠席したことがあると答えた人は96%、会議の一部を逃したことがあると答えた人は95%だった。また73%もの人は会議に他の仕事を持ち込んだことがあると答え、39%は会議中に居眠りをしたことがあった。
会議に時間や労力、エネルギーをつぎ込んだのに具体的な成果を得られなければ、何かが間違っているはずだ。
会議は変化と改善の手段となるべきだ。生産性の向上、正直なコミュニケーション、強力なチーム構築、そしてより良い成果を上げるプロセスが会議だ。成果を上げることを目的とした前向きな会議を行うための、最も基本的だが見逃されがちな9つの方法は次の通りだ。
1. 会議が絶対に必要なことを確認する
かなり前に設定された会議で明確な議題はなく、範囲が非常に広く、参加者が多過ぎ、チームのやる気に欠けるような会議を経験したことは誰しもあるはずだ。「参加しなければならないから」という理由で出席する会議に果たして意味はあるだろうか?
『Death by Meeting(会議による死)』の著者パトリック・レンシオーニは、劣悪な会議により怒りや無関心、懐疑的な態度、さらには自尊心の低下など深刻な人的苦痛が生じると述べている。非効率性と非生産性による機会の喪失は言うまでもない。
「会議をする必要があるのか?」と自問するのをためらってはいけない。その必要がないと思う場合や確信が持てない場合は、出席者が時間や労力、エネルギーを無駄にしないようにすべきだ。議題について直接話す必要がない場合、他のコミュニケーション手段がより効率的かもしれない。
生産的な会議の計画には、話し合いたいことだけでなく、会議で得たいことを理解しておくことが必要で、後者の方が重要だ。明確・詳細で関連性のある議題は絶対に欠かせない。
2. できる限り短い時間に抑える
会議での集中力は約30分が経過したあたりから顕著に低下し、長引けば長引くほどに注意力が急速に低下することが研究から示されている。15分で言えることは15分以内で話し、25分以上使わない。長い会議は休憩をはさみ、参加者がリラックスして集中力を取り戻せるようにすること。
長い会議はエネルギーと創造性、やる気、楽観的思考を奪うだけだ。参加者の頭が機能しておらず、価値をもたらす準備ができていなければ、全員をその場に引き留める意味はない。
初めの方に扱った議題はその重要性にかかわらず、多くの時間と注目が向けられる。これを戦略的に利用すること。