ビジネス

2019.06.03

ジャック・マーのスピーチに喝采 4年目のパリ「VivaTech」

(Photo by Chesnot/Getty Images)


昨年は、イスラエルやアフリカのブースも多く出展されていたが、現地の友人の起業家らにあわなかったせいか、個人的には今年はあまり目立っていないように感じた。また、日本からのブースもほとんどなくなり、残念だった。

しかし、そんななかで、シリコンバレーで何度かお会いしたことのある日本人起業家、川口健太郎氏と再会した。彼がCEOを務めるスタートアップ、米VAQSOは、会場中央でいちばん存在感のあるLVMHのブースに出展していた。



LVMH傘下のフラグランスブランド「メゾン フランシス クルジャン」の香水とコラボレーションしたVRを紹介していた彼は、「1人でも多くの来場者にデモストレーションを体験していただき、感動を届けたい」と、毎秒全力で挑んでいた。今回のコラボを成功させ、信頼を獲得し、次のチャンスに繋げたいという。

実際に、ブースを出したことで、「まだVR映像と香りの連動を経験したことない方がとても多く、新感覚の体験を充分に楽しんでもらった」と、好感触を得たようだった。

フレンチテックは世界市場へ

VivaTechでは、南仏モンペリエに本社を構えるIT業界の著名人で、友人でもあるPierre Deniset氏と再会したが、彼曰く、「フレンチテックはフランス国内だけではなく、世界市場にサービスを展開し始めている。VivaTechは、世界中のイノベーターたちと交流する格好の場所となっており、これからも毎年パリで皆が出会い、イノベーションを起こせる機会が増えることを望んでいる」と語った。

またVivaTechでブースを構えていたRakuten AquafadasのCEOであるOlivier Alluis氏は、「VivaTechは、4年前にスタートしたが、今年は、世界中からどのくらい注目されているかを知るには良い機会になった。テクノロジーは社会にどのように影響を与えて、経済的利益は社会に良い影響を与えるかが議論される良い機会にもなった」と語っていた。

ヨーロッパのイノベーションの発信源としてのVivaTechとしてのパワーを、今年も、その溢れんばかりの人々の熱気とともに感じた。

連載:イノベーション・エコシステムの内側
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文=森若 幸次郎 / John Kojiro Moriwaka

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