経済・社会

2019.05.28 06:30

米大統領候補、「高齢」は最も嫌われる特性の1つ

Photo by Tom Pennington/Getty Images

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世論調査の結果、2020年の米大統領選への出馬を表明しているジョー・バイデン前副大統領(76)とバーニー・サンダース上院議員(77)、ドナルド・トランプ大統領(72)には悪い知らせがもたらされた。
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米テレビ局NBCと米紙ウォール・ストリート・ジャーナルが共同で実施、今年3月に発表した調査結果では、75歳以上の大統領候補を期待する有権者が、アフリカ系米国人、同性愛者、女性、イスラム教徒の大統領候補を望む人の数を下回ったのだ。

この調査では、大統領候補に関する11の特性を挙げ、それぞれを望ましい点だと思うかどうか質問した。その結果、候補として最も好意的に受け止められているのは「アフリカ系米国人」だということが分かった。黒人大統領を「強く望む」または「望む」と答えた人は、全体の87%に上った。

次に多くの人たちが同様に回答した特性は、「白人男性」(86%)、「女性」(84%)、同性愛者」(68%、2006年の調査では43%)だった。
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一方、大統領候補として最も望ましくないとされたのは、「社会主義者」(好意的に見る有権者は25%)。次いで「75歳以上」(同37%)、「イスラム教徒」(同49%、2015年の調査では32%)だった。

ただし、アフリカ系米国人と女性については、回答者が批判を受けそうな答えを避けていることも考えられ、これらの特性に対する寛容さは、実際より誇張されている可能性がある。

「何歳まで」がふさわしい?

調査結果で注目に値するのは、米国人の多くが「75歳は高齢すぎる」と言うことが偏見や年齢差別であるとは捉えていないことだ。多くの人が、年齢に基づく判断は正当なものだと考えている。

(出馬を表明している上院議員の)カマラ・ハリスとコリー・ブッカーが黒人であることを理由に、またはエリザベス・ウォーレン上やエイミー・クロブチャー、カーステン・ギリブランドが女性であることを理由に、候補としての資質が議論されるようなことはない。

どのような仕事であれ、問題とすべき点は候補者がその仕事を担うために必要な知識と能力を持っているかどうかだ。

筆者は労働経済学と高齢化の経済学を専門とする研究者だが、同じ分野で活動する専門家の間でも、この問題に関する見解はそれぞれに異なる。そして、いずれも非常に興味深い。

デューク大学のジェームズ・チャペル助教(歴史学)とマサチューセッツ大学ボストン校のサリー・エデルスタイン准教授(英語学)は米誌ワシントンポストへの寄稿で、「大統領になるのに遅すぎる年齢はない」と主張。高齢者は昔と比べてはるかに健康であり、認知機能の低下が実社会で働く能力に影響を及ぼしているとの見方は誤りだと断言している。

認知機能に関する最近のテストでは、「全体的なスコアには年齢に基づく有意な差がない」との結果が継続的に示されていると指摘。一部の高齢者は、若い人たちの大半と同等、またはそれ以上の結果を出していると述べている。

また、(高齢化と年齢差別に関する研究などで知られる文化評論家の)マーガレット・モーガンロス・ガレットは、大統領選の選挙運動の厳しさは、候補がその職に就くために基本的に必要となる資質を持っているかを示す好例だと語る。

「選挙活動を乗り切れることは、その候補がどの年代の誰よりもずっと健康で、スタミナがあることを証明するものだ。大統領候補は言語の面での機敏性や論理的思考力、歴史についての知識、公共の利益に関するビジョンに基づいて評価されるべきだ」

編集=木内涼子

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