不機嫌そうな表情で人気となったこの猫は、本当に機嫌が悪いのではなく、小猫症と受け口が原因で特徴的な表情になったものと思われる。グランピー・キャットは2012年に掲示板のレディットの投稿がきっかけで有名になり、大手メディアで「最も影響力のある猫」に選ばれたほか、バズフィードの「最優秀ミーム賞」も受賞した。
インターネット上には猫好きが多く、膨大な数の関連グッズも発売された。グランピー・キャットは、キャットフードのフリスキーのCMにも起用されたほか、2014年には「グランピー・キャットの最低で最高のクリスマス」という映画まで製作された。
グランピー・キャットは、漫画「ガーフィールド」に登場する怠け者で皮肉屋のデブ猫のガーフィールドの実写版的存在ともいえる。ガーフィールドの関連グッズも大量に販売され、カルト的な人気を誇ったほか、映画版ではビル・マーレイが声優を務めた。
一体なぜ猫がこれほどまでに人々を魅了するのかは定かではないが、グランピー・キャットが膨大な金額を稼ぎ出したことは明らかだ。英国のタブロイド紙、デイリー・エクスプレスは2014年、グランピー・キャットが累計1億ドル(約110億円)を稼ぎ出したと伝えたが、飼い主のタバサ・バンデセンはこの報道は誤りだと否定した。
2015年にグランピー・キャットの著作権管理を行うGrumpy Cat Limitedは、この猫の名前を無許諾で使用したコーヒーショップを相手取った訴訟を起こし、2018年に71万ドルの損害賠償金を得ていた。
グランピー・キャットの不機嫌そうな表情は、今後もネット界のミームとして、人々の記憶の中に永遠に残り続けるだろう。