滴滴は2018年1月にブラジルの配車サービス最大手の「99」を買収しており、ダイムラー傘下の「Beat」も南米で覇権を広げようとしている。
5月10日にニューヨーク市場で上場を果たしたウーバーは、以前から米国で車内の置き菓子サービス企業の「Cargo」と提携を結んできたが、現地でも同社とのパートナーシップを強みに事業を拡大する計画だ。
ウーバーはさらに、現地でコンビニエンスストアのampmを運営する「Ipiranga」と提携を結んだ。
Cargoの置き菓子ボックスは乗客らにアメニティとしてアピールできるだけでなく、ドライバーらの新たな収入源となる。運転手は一日の乗務を終えるとIpirangaが運営する給油所に向かい、併設されたampmでお菓子を補給する。
Ipirangaとしてはウーバーとの提携で、お菓子の新たな販売チャネルを入手できる。ウーバー側は運転手の収入を増やすことで、ドライバーの確保が容易になる。
ウーバーとCargoは米国で昨年から、パートナーシップを結んできたが、米国外にこの取り組みを広げるのは今回が初めてだ。サンパウロの人口は約1200万人、リオデジャネイロの人口は約630万人とされ、この分野では巨大な成長が見込める。
ウーバーはブラジル全土で60万人の登録ドライバーを抱え、登録ユーザーは2200万人に及んでいる。Ipirangaはブラジル全土に給油所を持ち、運営するampmのストアは2500店舗に達している。サンパウロとリオデジャネイロの2都市で、Cargoの利用を開始したドライバーの数の合計は、既に2000人に達したという。
Cargoは今後の事業プランの詳細を明かしていないが、同社の創業者のJeff Cripeは筆者のEメールでの取材に次のように述べた。「当社は昨年7月にウーバーと独占契約を結び、ロサンゼルスやサンフランシスコでの取り組みを始動させた。今後は米国内と海外の双方でオペレーションを拡大していく計画だ」