ビジネス

2019.05.21 11:30

狙え、200兆円の巨大市場。A.T.カーニー出身の起業家が目指すは「間接費の見える化・最適化」




大平は「継続的な評価・アラートにも対応しているのがLeanerの特徴」と言い、この機能があることで一時的なコスト削減ではなく、継続的なコスト削減ができるとのこと。See-Plan-Do-Check&Actionのサイクルをまわしていくことで、いわゆる“リバウンド”をしないそうだ。

非常にニッチなサービスに思えるが、大平によれば「間接費はすべての企業に発生しているもので、間接費の管理・削減に対する需要は高まっている」という。

実際、Leaner Technologiesが総務部へアンケートを行った結果、92%の企業が「コスト削減余地が残されている」と回答。また正式版のリリースに先駆けて募集していたトライアルには、100件以上の問い合わせがあったとのこと。

総務部・経理部が適切に評価される社会を

間接費のコストを削減し、新たな投資原資を創出することで、経営者がより挑戦できるようになる環境をつくる。これがサービスを開発した狙いのひとつだが、それだけではない。大平は「購買業務に携わっている人たちが適切に評価される社会をつくりたい」と思いを口にする。

「多くの企業の総務部・経理部では、経営者から『コストを削減しろ』と言われ、手探りの状態で現状よりも価格が安いツールを導入したとします。そうすると現場から『使いづらくなった』という声があがり反発される。その結果、経営者から評価されず、どんどんモチベーションが下がっていく、負の循環が生み出されてしまっているんです。この状況もどうにかしたいと思ったんです」(大平)

今まではコストの見える化もできていなかったために、総務部・経理部の評価は定性的なものになっていたが、Leanerによってコストが見える化され、どれだけコストを削減できたかが把握できるようになれば、定量的な評価が可能となる。

「会社のMVPになるのは、売上に貢献した営業部の人がほとんどでしたが、Leanerによって総務部・経理部も売上に貢献していることが分かるようになれば、MVPになれるかもしれない。そんな社会を目指していきたいです」(大平)

創業時から、クラウドワークスの成田やOYO LIFEの菊川航希など経験豊富なタレントが参画しているLeaner Technologies。今後、同社はプロダクト開発チーム・カスタマーサポートチームを強化。取扱金額を2020年内に700億円、2021年内に2500億円にすることを目指すという。

文=新國翔大

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