「仲間」をつくる5つの事例
1. PIAZZA (ピアッツァ)/首都圏を中心に全国16拠点/2015年〜
街の人とつながる「広場」アプリ
近所の人と暮らしや子育てにまつわる情報をやりとりしたり、困り事を相談し合ったり、いらなくなった物を譲り合ったり━。地域SNSアプリ「PIAZZA」は子育て世帯や若者が多く住む16エリアで展開中。名称はイタリア語で「広場」の意味。街の人と人が出会い、心地いいつながりを育むプラットフォームを目指す。
2018年11月には、人口が急増中の武蔵小杉駅周辺のコミュニティ強化のため川崎市中原区と連携協定を締結。住民同士の情報交換に加え、区の行政情報の配信やアプリを活用した住民アンケート調査、PIAZZA独自のコミュニティ活性化指標を活用し、コミュニティの熱量を定量評価する。「リアルコミュニティ」事業では、NPOと協力して子育て支援施設「グロースリンクかちどき」を運営。会員は約2万5000人。学童保育などの空き時間を借り、習い事教室の先生へ貸し出すサービスなども始め、スキルシェアも進みそうだ。
2. TABICA(たびか)/47都道府県で展開/2015年〜
地域案内人が「偏愛体験」をシェア
地方に興味はあるけれど、自分が夢中になれる場所と出合っていないという人は、まず地域の暮らしを体験してみてはどうだろうか。「TABICA」は、全国各地の地域案内人(ホスト)が「地域ならではの体験」を企画し、利用者(ゲスト)とつなぐ体験シェアサービスだ。サービス設計の中心にあるのは「地域愛」。約6200人のホストが、街歩きや農業体験、伝統食作りなどを用意する。
人気なのは「偏愛体験」だ。2019年3月から佐賀県多久市とタッグを組み「多久市偏愛紀行」を始めた。「田舎のじいちゃんと、自然農園で遊ぼう&田舎飯作り体験」では、季節の野菜や土と触れ合い、火おこしからご飯作りができる。小田急電鉄との共同企画「小田急線偏愛紀行」は、昆虫食の体験や小田原の魅力を再発見するマンホールツアーなどマニアックな体験ができて好評だ。地元に精通した人とつながることで、密度の濃いコミュニティが出来上がっていく。