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2019.05.21 12:35

「仲間」をつくる | 越境イノベーションモデル5選


3. Re:S(りす)/神戸をベースに各地で活動/2006年〜



ローカルプレイヤーと仕掛ける「地方×編集」

編集者の藤本智士が代表を務める編集会社。メディアを活用して状況を変化させる力を「編集力」と定義し、地方でこそ編集力を発揮できると提案。全国を旅しながら、偶然の出会いを大切にした雑誌作りや地域プロデュースを手がける。2017年には、自著『魔法をかける編集』の出版ツアーを半年で全国62カ所で開催。地方の2500人以上の「ローカルプレイヤー」と出会い、「編集」を通して独自のネットワークを拡大した。「よそ者だけでなく、その土地の仲間と混合のチーム作り」を心がける。「全国でまちづくりや地元産品のプロデュースなどを手がける広義な『編集者』が増えています」と実感を語る。社名「Re:S」は「Re:Standard=あたらしいふつうを提案する」という意味。

4. JR東日本「チーム・ファンタジスタ」/47都道府県で展開/2015年〜



「遊ぶように働く」社内でつながる提案集団


JR東日本グループ社員有志のプロジェクト提案集団。ミッションは「駅(Station)をはじめとするJR東日本のリソースを生かして、個人起点のつくりたい未来(Fantasy)を実現する」こと。メンバーの多くは社外のプロジェクトに参画し、公私を行き来しながら「遊ぶように働き、働くように遊ぶ」を実践。「ステーションピアノ」プロジェクトなど実例を紹介するオウンドメディアや、社内外の仲間が集まる場「ファンタジスタスタジオ」を運営する。代表の村上悠が社内ベンチャー制度「ON1000」を立ち上げると、1000件を超える事業アイデアが集まり、うち8件をブラッシュアップ中。「ひとりひとりの『やりたい』想いを尊重し、どうしたら実現できるかチームとして寄り添いたい」。

5. FAAVO(ファーボ)/47都道府県で展開/2012年〜



地域クラウドファンディングでファン獲得

CAMPFIREが運営する地域に特化したクラウドファンディングサービス。現地の事業者や行政、金融機関などと連携しFAAVOの運営を委託するエリアオーナー制度が特徴。56事業者(2019年2月末時点)が埋もれがちな小さなチャレンジを拾い上げ、思いを形にするサポートを行う。約2200件のプロジェクトで約12億円を地域に還元。調達金額の最高額は、岐阜県関市の刀鍛冶による「蛍丸伝説をもう一度! 大太刀復元奉納プロジェクト」の4512万円で達成率は820%。運営担当者によると「地域の純粋な思いが『刀剣乱舞』ファンに届いて大きな運動になった」。プロジェクト成功のためには日頃の情報発信が鍵。人との関わりを大切にして自分の思いを「見える化」しよう。

第一回)(第二回

文=フォーブス ジャパン編集部+三井三奈子

この記事は 「Forbes JAPAN 地方から生まれる「アウトサイダー経済」」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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