PitchBookのデータによると、3Dプリンター企業が今年に入り調達した資金の総額は4億ドル(約446億円)で、昨年1年間の8億ドルの半分に達している。また、2017年の3億ドルを既に超えている。
この分野のユニコーン企業として知られるカーボン(Carbon)は先日、新たに3億ドルの調達を計画中と報道されており、今年は過去5年間で初となる10億ドルの突破も期待できそうだ。
3Dプリンター関連企業の調達額は、工業分野での利用が広まるにつれて上昇し、次々と新たなスタートアップが生まれている。PitchBook によると、2014年のこの分野の企業の資金調達額は1億ドルだった。
今回のカーボンの3億ドルの調達は、過去5年の3Dプリンター業界で最大の資金調達になる見通しだ。同社は昨年2月には2億ドルを調達しており、現在の企業価値は17億ドルとされる。Carbonは新規の調達で25億ドルの企業価値を見込んでいるという。
過去5年で最大の資金調達の上位10件のうち3件は、今年に入り実施されたものだ。金属3Dプリンターの「デスクトップメタル(Desktop Metal)」は2月に1億6000万ドルを調達し、企業価値は15億ドルとされた。カーボン素材や金属向けの3Dプリンター企業「Markforged」も8200万ドルを調達し、評価額は8億2000万ドル。この分野のサービスプロバイダーである「Fast Radius」は4800万ドルを、評価額4億ドルで調達した。
カーボンは、アディダスに3Dプリントスニーカー「Futurecraft 4D」のミッドソールを提供していることで知られている。このミッドソールは軽量で格子構造をしており、3Dプリンターでなければ製造することができない。
カリフォルニア州本拠のカーボンはセコイアキャピタルやGV(旧グーグルベンチャーズ)、フィデリティ、GE、アディダスベンチャーズからの出資を受けている。