ファーウェイの今年の第1四半期の売上高は、前年比39%増の1797億元(約3兆円)で、純利益率は約8%とされた。同社の2018年の通年売上高は前年比19.5%増で、利益も前年から25%の伸びだった。
同社は注力する分野を通信機器からモバイルデバイスに移行させており、第1四半期に5900万台のスマートフォンを出荷した。
調査企業IHS MarkitのZaker Liは「ファーウェイは世界のスマホ市場で急速にシェアを拡大しているが、今回の数値は予想を上回るものだ」と述べた。「ファーウェイはスマホの出荷台数でアップルを超え、年末には市場のトップのサムスンに迫るだろう」とLiは続けた。
ただし、ここで注目すべきは5Gに関するファーウェイの発言だ。米国のCIA(中央情報局)は先日、「ファーウェイが中国の安全保障当局から出資を受けている」と指摘し物議を醸したが、同社は声明で「2019年は世界規模で5Gの導入が進む年になる」と述べた。
「3月末までにファーウェイは世界の主要な通信キヤリアと、5Gネットワーク構築に向けた40の契約を結んだ。また、7万台以上の5Gベースステーションを世界に出荷した」
ファーウェイはまた、次世代のテクノロジー開発にも注力していることを強調した。
「当社は世界で初めての、5G対応のWi-Fi 6アクセスポイントをデプロイした。Wi-Fi 6プロダクトの出荷台数で、ファーウェイは世界の競合らを上回っている。また、クラウドのHuawei Cloudサービスを利用する企業は100万社を突破した」と述べた。
米国はファーウェイ排除に躍起になっているが、今回の決算からは、世界の大半の国や企業が、米国が主張する「脅威」を意識していないことが浮かぶ。既にファーウェイのネットワークを利用中の企業が、そこから離脱することはコスト増にもつながる。
スマホ市場においてもファーウェイは競合を上回るテクノロジーを安価に実現することで、シェアを奪ってきた。
米国はイギリスやオーストラリア、カナダ、ニュージーランドの5カ国の情報機関で構成する「ファイブ・アイズ」で今回の疑惑に関する情報を共有しており、英国は米国に同調する形で、ファーウェイを5Gネットワークから排除する見通しだ。
しかし、ファーウェイはこれらの5カ国以外の国に向けて、粛々と5G機器の売り込みを進めようとしている。