ロンドン交通局はこの制度の導入により、都心部の大気汚染や渋滞を軽減しようとしている。ULEZは「ウルトラ・ロー・エミッション・ゾーン」の頭文字をとった略語だ。
ULEZの導入を控えて、ロンドン交通局は地元企業らに、荷物の輸送にガソリン車の代わりに電動カーゴバイク(E-cargo bike)の利用を促進する動きを進めている。
ロンドンブリッジ周辺のエリアでは「バイク・フォー・ビジネス」というプログラムが立ち上がり、PwCや帝国戦争博物館、ネットワーク・レールなどの地元企業や団体400組織が参加する。
バイク・フォー・ビジネスは、英国政府が開始した企業の電動カーゴバイクの購入に対する補助金制度とともに始動した。英国運輸省は企業の電動カーゴバイク購入費用の、20%を補助する制度を打ち出した。
ロジスティクス業界でLEFV(light electric freight vehicles)と呼ばれる電動カーゴバイクは、電動アシスト機能を持ち、都市部の一般レーンと自転車用レーンを走行できる。多くの都市において、電動カーゴバイクはガソリン駆動のバンより迅速な配送が可能だ。
都市部の渋滞をぬうように走る電動カーゴバイクは、目的地のすぐそばまで乗り入れることができ、違法駐車の問題とも無縁だ。バイク・フォー・ビジネスの運動を支援するチーム・ロンドン・ブリッジCEOのNadia Broccardoは次のように述べた。
「生鮮食品から医薬品まで、電動カーゴバイクはあらゆるプロダクトの輸送に利用可能で、コストや時間のロスを削減する。ULEZの導入とバイク・フォー・ビジネスの活動は、ロンドン都心部の輸送を大きく変えていく」
ロンドンブリッジ近くにあるガイズ病院も今後、電動カーゴバイクを導入し、ディーゼル車両を用いた配送を現状の10%にまで減らそうとしている。