ロンドン都心に「ガソリン車制限」エリア、EV利用を促進

Photo by John Keeble/Getty Images

イギリスのロンドンの中心部では、4月9日から超低排出ゾーン(ULEZ、ユーレズ)という制限エリアが設けられ、排ガス量の多い車両は渋滞税と併せて追加料金の支払いを求められる。

ロンドン交通局はこの制度の導入により、都心部の大気汚染や渋滞を軽減しようとしている。ULEZは「ウルトラ・ロー・エミッション・ゾーン」の頭文字をとった略語だ。

ULEZの導入を控えて、ロンドン交通局は地元企業らに、荷物の輸送にガソリン車の代わりに電動カーゴバイク(E-cargo bike)の利用を促進する動きを進めている。

ロンドンブリッジ周辺のエリアでは「バイク・フォー・ビジネス」というプログラムが立ち上がり、PwCや帝国戦争博物館、ネットワーク・レールなどの地元企業や団体400組織が参加する。

バイク・フォー・ビジネスは、英国政府が開始した企業の電動カーゴバイクの購入に対する補助金制度とともに始動した。英国運輸省は企業の電動カーゴバイク購入費用の、20%を補助する制度を打ち出した。

ロジスティクス業界でLEFV(light electric freight vehicles)と呼ばれる電動カーゴバイクは、電動アシスト機能を持ち、都市部の一般レーンと自転車用レーンを走行できる。多くの都市において、電動カーゴバイクはガソリン駆動のバンより迅速な配送が可能だ。

都市部の渋滞をぬうように走る電動カーゴバイクは、目的地のすぐそばまで乗り入れることができ、違法駐車の問題とも無縁だ。バイク・フォー・ビジネスの運動を支援するチーム・ロンドン・ブリッジCEOのNadia Broccardoは次のように述べた。

「生鮮食品から医薬品まで、電動カーゴバイクはあらゆるプロダクトの輸送に利用可能で、コストや時間のロスを削減する。ULEZの導入とバイク・フォー・ビジネスの活動は、ロンドン都心部の輸送を大きく変えていく」

ロンドンブリッジ近くにあるガイズ病院も今後、電動カーゴバイクを導入し、ディーゼル車両を用いた配送を現状の10%にまで減らそうとしている。

編集=上田裕資

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