富裕層向け贅沢品の価値が上昇中 1億円を超える希少ウィスキーも

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ここ10年ほど、世界の超富裕層(保有資産が3000万ドル以上の人) の数が増えている。それに伴い、贅沢品への需要も急上昇中だ。

億万長者たちは、スーパーヨットや不動産、プライベートジェット機にとどまらず、「情熱の対象」となる小さめの品物にもせっせとお金を注ぎ込んでいる。

イギリスを本拠とする国際的な不動産コンサルティング会社「ナイトフランク(Knight Frank)」 が3月はじめに発表した「2019年版世界ウェルス・レポート(2019 Global Wealth Report)」 では、過去10年間で価値が最も大きく変化した高級品が明らかにされている。

最近は希少ウィスキーがとりわけ人気で、シングルモルトのスコッチが入手困難となっている。

2018年はスコッチウィスキーにとって特筆すべき1年だった。10月のオークションでは、1本84万8750ポンド(約1億2565万円) という史上最高の落札価格を記録。

しかし、そのわずか1カ月後には記録が塗り替えられた。別のスコッチウィスキーが、120万ポンド(約1億7765万円)で落札されたのだ。手描きのボトルに入った1926年物 で、ロンドンのクリスティーズ社が開催したワインと蒸留酒のオークションで競り落とされた。

希少ウィスキーの価値は、ここ12カ月で40%も上昇している。過去10年を見ると、上昇率はなんと582%だ。

ビンテージカーはこれまでも、世界の富裕層にもっとも人気がある贅沢品に数えられてきたが、その価値は過去10年間で258%も跳ね上がっている。2018年に最も高い値がついたのは、1962年式の「フェラーリ250GTO」で、落札価格は4840万ドル(約54億1000万円)だった 。

裕福な人々のあいだでは硬貨や切手も珍重されており、その価値はこの10年でそれぞれ193%ならびに189%と大きく上昇している。2018年に売買された切手の最高額は160万ドル(約1億7884万円)だった。硬貨のほうは、アンティーク硬貨を扱うCNG が販売したポーランドの1621年100ダカット金貨が最高で、価格は220万ドル(約2億4590万円)だった 。

ほかにも、ここ10年で価値が上昇しているものとして、美術品(158%)、カラーダイヤモンド(122%)、宝石(112%)がある。しかし、アンティーク家具の価値は32%下落した。

人気の高い高級品の過去10年間における価値変動
(2018年第4四半期時点)

希少ウィスキー:582%
ビンテージカー:258%
硬貨:193%
切手:189%
美術品:158%
ワイン:147%
カラーダイヤモンド:122%
宝石:112%
高級腕時計:73%
アンティーク家具:-32%

翻訳=遠藤康子/ガリレオ

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