日系企業は「SXSW」で存在感を示すことができるか?

2019年のSXSW、日系企業で最大規模のブースを出展したのがソニーだった

SXSW(サウスバイサウスウェスト)が、今年もテキサス州オースティンで3月8日~17日まで開催中だ。

2007年にはツイッターが、2011年にはエアビーアンドビーが、2012年にはピンタレストが「インタラクティブ・イノベーション・アワード」で表彰されたことをきっかけに注目を浴びるようになった。期間中は渋谷区に匹敵する広さのエリアに、世界中の大手企業、スタートアップ、映画、音楽関係者が集い、街がSXSW一色に染まる。

最先端テクノロジーの祭典で、日本の大企業とスタートアップは、今後の可能性を見出すことができるだろうか。


宣伝車を街に走らせているソニー。展示スペースWOW Studioは、街の中心地コンベンション・センターからすぐの場所にある。

ソニーがSXSWで示した「テクノロジー×クリエイティビティ」

日系企業で最大規模のブースを出展したのがソニーだ。「テクノロジー×クリエイティビティ」をテーマに、体験型展示とトークセッションやプレゼンテーションを連日開催している。

伝説のギタリスト、ジミ・ヘンドリックスが描かれたエントランスから入ると、会場の至るところに「WILL TECHNOLOGY ENRICH HUMAN CREATIVITY?(テクノロジーは人の創造力を高めるか?)」という言葉が並ぶ。

中でも行列が絶えなかったのが、インクルーシブデザインの体験型展示「CAVE without a LIGHT」。4人1組で暗闇の洞窟を再現した空間に入り、それぞれ柵で囲われたスペースに案内される。そこで4分間、手元にある小さい太鼓や手を叩いたりして全員で一曲の音楽を作る。

視界が真っ暗になった中での音響や、音楽に合わせて足元からつき上がる振動により、視覚に頼ることなく多様な人が音楽を楽しむことができる。

他にもAIアシスト作曲技術を搭載した「Flow Machines(フローマシーンズ)」、ダーツが的に当たると床から振動を感じる「Flash Game(フラッシュゲーム)」など、 目新しいアイデアや技術というより、ビジネスだけに特化しないSXSWらしいエンターテイメント要素が豊富な展示となった。
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文=守屋美佳

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