アップルの新iPad Miniで業績回復狙う台湾企業、コンパルの内情

Photo by Kevork Djansezian/Getty Images


アップルがコンパルの救世主になる?

iPad mini 4は、7.9インチの小型ディスプレイサイズと片手で操作できる軽量さで人気を博したが、多くの消費者は、2015年以来初めてのアップグレードとなるiPad mini 5のリリースを待ちわびている。

「iPad miniは長らくアップグレードされていないため、累積した需要が予想される。コンパルの現状の利益率は1桁台と低いが、iPad miniははるかに高い利益率が期待できる」と調査会社Counterpoint Mobile and Semiconductorsのアナリスト、Ethan Qiは指摘する。

ニュースサイトAppleinsiderによると、コンパルはiPad mini 5の受注量が急増することに備え、既に台湾、中国、ベトナムの工場設備を増強しているという。

コンピューターの需要が低迷する中、コンパルの売上高は2017年に288億ドル(約3.2兆円)と前年から増えたものの、純利益は対前年比29%減の1億8500万ドルだった。かつて、同社はデルやヒューレット・パッカードのパソコンを製造し、ノートPCの生産量で世界第2位だった。

しかし、ここ数年はパソコンの価格競争が激化し、業績は悪化している。最近では、プロジェクターを搭載した自社ブランドのロボットRobiiをリリースするなど、パソコン以外の事業の拡大を図っている。

iPad miniにおけるアップルとのパートナーシップは、コンパルの業績回復に大きく寄与する可能性が高いとQiは指摘する。「コンパルは、これを機にアップルウォッチやiPhoneなど、より大きな利益が得られる製品でアップルと提携できるかもしれない」とQiは話した。

編集=上田裕資

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事