「旅」をテーマにした日本専用の限定モデル ── MINI クロスオーバー・ノーフォーク・エディション

MINI クロスオーバー・ノーフォーク・エディション

英国の生活だけでなく文化までも象徴するMINIが誕生したのは1959年のこと。それから一度もフルモデルチェンジすることなく20世紀の後半を走り抜けたこの小型車は、21世紀初頭にBMWの手で生まれ変わった。その後も快適性や安全性、環境性能などを年々向上させながら、60周年を迎えた今も世界中で多くの人々に愛され続けている。

中でも日本人は(ひょっとしたら英国人以上に)MINIに対して特別強い愛情を抱いてきたと、かつてMINIを所有していた日本人の筆者は自信を持って言える。MINIもきっとそれを分かっているから、これまで度々日本だけのために特別な限定モデルを用意してきた。その最新作が、2月28日に300台限定で発売された「MINI クロスオーバー・ノーフォーク・エディション」である。

ノーフォークとはイングランド東部の北海に面したカウンティの名前だ。広大な海岸線と美しい田園風景に囲まれ、農業が盛んなこの地域は1平方キロメートルあたりの人口密度が166人に過ぎない(2017年のデータ)。そう聞くだけで行ってみたくならないだろうか? 

そう、今度のMINIは“旅”がテーマ。旅を通して自分の世界観・価値観を拡げていく人に向けた特別仕様車だ。

まあ、現実的には日本からノーフォークまでMINIに乗って行くことは不可能に近いけれど、我が国にだって「広大な海岸線」や「美しい田園風景」はたくさんあるはず。だから、この限定車はMINIの中で最も旅に向いたモデルがベースに選ばれた。

多くの人や荷物を積み込める(MINIにしては)大きめのボディに、悪路走破性に優れた4輪駆動システムと引き上げられた車高を持つ「MINI クロスオーバー クーパーD ALL4」だ。エンジンは2.0リッター直列4気筒ディーゼルターボ。21.3km/Lの省燃費と強力なトルクがあなたの旅を助けてくれるだろう。



MINIといえば小さくてお洒落な街乗り用のクルマだと思っている人も多いかもしれない。しかし、都会人向けの単なるシティカーだったら、MINIはこれほど愛されなかったに違いない。なにしろMINIの誕生した翌年には、広い荷室(といってもMINIだから推して知るべし、だけれど)やバックドアを備えた「カントリーマン」と「トラベラー」という素敵な名前のワゴン仕様が作られているのだ。

日本では商標権の関係から「クロスオーバー」と名乗る現行モデルも、他国では先代と同じ「カントリーマン」と呼ばれていることをご存じだろうか。
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文=日下部博一

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