腕立て伏せと心臓の健康に関連性? 米国の消防士を対象に調査

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あなたは腕立て伏せを41回以上できるだろうか。1カ月間にではなく、連続で──。それは無理だとしても、少なくとも10回以上はできるだろうか?

米国医師会雑誌(JAMA)のオープン・アクセス・ジャーナル「JAMA ネットワーク・オープン」に先ごろ掲載された研究結果によると、この質問に対する答えは、あなたが今後10年の間に心血管疾患を発症するリスクがどの程度あるかを判断するのに役立つかもしれない。

ただ、この研究は平均年齢39.6歳の米国の男性消防士1104人から得たデータに基づいて行われたものであることに注意が必要だ。また、基本的には利用可能な過去のデータを調べ、それらの関連性や相関関係の有無を明らかにしようと試みた後ろ向きコホート研究であることも覚えておかなければならない。

つまり、結果は入手できたデータに制限されるものであり、さまざまな因子を見落としている可能性もあるということだ。

腕立て伏せから分かったこと

ハーバード大学公衆衛生大学院とインディアナ州の公的医療機関、イタリアのボローニャ大学などの研究者からなるチームは、インディアナ州の消防署10カ所を担当する病院で2000年2月2日から2007年11月12日までに健康診断を受けた男性消防士1562人のうち、腕立て伏せテストを受けた1104人に関するデータの分析を行った。

テストでは、毎分80拍のスピードで拍子を刻むように調整したメトロノームを使い、音に合わせて腕立て伏せをしてもらった。音とずれることが3回を超えた場合、または本人が自分で中断した場合には、その時点で終了とした。

そのほか消防士たちには、心血管疾患のリスクを調べるためのより標準的な方法とされる運動負荷試験も受けてもらった。この試験には、ランニングマシンでの歩行・走行距離の計測と、計測中の心拍数・リズムや酸素消費量の測定などが含まれる。

研究チームはこれらの消防士について、腕立て伏せテストから10年後までに冠動脈疾患やその他の心疾患(心不全など)と診断されたか、あるいは心臓突然死を起こしていないかなどについて調査した。さらに、病気の発症、または死亡と腕立て伏せテストの結果の関連性を調べた。
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編集=木内涼子

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