ネットフリックスとプロダクションI.Gが共同制作、「4K HDR」の世界を模索

共同制作中の4K HDR 手描きアニメ作品のサンプル画像


今回のオリジナルアニメプロジェクトの目的は、今後のアニメ制作で増えるとされる4K HDRに対する見識を深めることだという。

ネットフリックスは発表の中で、「制作過程において得られるあらゆる技術的な知見をもって、今後4K HDRアニメ作品の制作に挑戦するクリエイターに有効活用していただくための糸口を模索することです。クリエイターはこれらの知見を活かし、最新のテクノロジーや制作手法を用いた制作活動を行うことができます」と説明している。



4Kでは「解像度(画素数)」「ビット深度(明るさや色の滑らかなグラデーション)」「フレームレート(動きの滑らかさ)」「色域(色の鮮やかさ)」などが、従来に比べて大きく向上する。これをどのように制作に生かすべきか、実際にコンテンツを手がける中で模索するということだ。

プロダクションI.Gとのタッグは2度目

プロジェクトをともに進めるプロダクションI.Gは、「攻殻機動隊」シリーズなどで知られる日本のアニメプロダクション最大手だ。

両社の協力はこれが初めてではなく、ネットフリックスジャパンでは、2018年1月にプロダクションI.Gとの間でアニメ作品に関する包括的業務提携契約を締結し、ネットフリックスオリジナル作品として同年3月に「B: The Beginning」を世界同時配信している。

プロジェクトの統括責任者を務める、ネットフリックス・クリエイティブテクノロジーエンジニアの宮川遙は、「日本のアニメ業界を代表するクリエイターを擁するプロダクションと共に、今回の共同プロジェクトを開始できたことを非常に嬉しく思います。世界中の多くのアニメファンのさまに、4K HDRのアニメ作品をお届けできるのを今から楽しみにしています」とコメント。

また、プロジェクトの演出を担当するプロダクションI.Gの齋藤瑛は、今回の取り組みについて以下のように話している。

「4KとHDRでのアニメーション制作に挑戦した背景には、新しい表現を切り開きたいという思いがありました。表現者として、より美しい映像を制作する機会を常に探っておりますが、機材などのハードルもあり、4KやHDRは業界的にも未開拓な分野です。今後もこのような取り組みを通じて、高いクオリティの映像を求め、努力を惜しまず進みたいと思います」

文=野口直希 写真提供=ネットフリックス

タグ:

ForbesBrandVoice

人気記事