通勤電車の中でニュースをチェックするため、カフェでの支払いにモバイル決済を利用するため、コンサート会場でパフォーマンスの一部始終を撮影するためなど、至るところでモバイル端末が利用されている。
モバイル端末を保有する人は、世界全体で50億人を超えたと推計されている。また、これらの人が利用する端末のうち、スマホが占める割合は50%以上となっている。
こうした統計結果を聞いて興味が湧くのは、「スマホの利用者がいまだ大多数にならないのはどの国か」ということだ。米調査会社ピュー・リサーチ・センターが昨年実施、先ごろ発表した調査結果によると、スマホの保有率は国によって大きく異なり、先進国の間でもかなりの差があるという。
例えば米国では、スマホを持っていない人の方が少ない。回答者のうち、モバイル端末を保有していない人が6%。スマホ以外の端末を使っている人が13%だった。一方、米国と国境を接するカナダでは、いずれのモバイル端末も保有していないと答えた人が25%に上った。
所得水準が低く、スマホを持つことが大半の人にとっていまだ手の届かない遠い夢である発展途上国では、国によってさらに大幅に事情が異なる。
ナイジェリアでは、44%がスマホ以外の携帯電話を利用している。また、いずれの端末も持っていないという人は17%だった。
その一方で、経済・技術的な発展が著しいインドでは、スマホの保有率が25%にとどまっている。35%がモバイル端末を持っておらず、スマホ以外の携帯電話を使っている人が40%だった。
以下、調査対象のうち15カ国のモバイル端末の保有状況を紹介する(左から、「国名」「携帯端末を持たない人」「スマホ以外の端末保有者」「スマホ保有者」の割合)。
・インド:35%/40%/25%
・ナイジェリア:17%/44%/39%
・インドネシア:29%/28%/43%
・メキシコ:24%/24%/52%
・フィリピン:23%/22%/55%
・ロシア:7%/34%/59%
・ブラジル:17%/23%/60%
・カナダ:25%/9%/66%
・日本:8%/26%/66%
・フランス:6%/19%/75%
・英国:5%/19%/76%
・ドイツ:6%/16%/78%
・スペイン:2%/18%/80%
・オーストラリア:6%/13%/81%
・米国:6%/13%/81%
出典:Pew Research Center