ビジネス

2019.02.15

「事業を回すプロになる」エンタメ事業を極めた男が、医療経営で注目を集める理由

水上真(写真=久世和彦)


事業は、トップがビジョンを描いて、開発、制作、営業、管理のスペシャリストが集まって成立する。そこで重要になってくるのは、その事業自体を統轄し、人を動かしていく、自らも動く、つまり「事業を回す」人間が必要だと水上氏は語る。

「事業の立ち上げとは無から有を生み出すことであり、それを具現化する能力は、どの業種であっても必要とされるスキルです。企画提案、スピード感ある実践、そして総務面、財務面まで含め事業を回すことで、初めて消費者や顧客のニーズに応えることや社会貢献に繋がるのです。事業を回す人間がいない組織では、なかなかうまくいきません。そういう意味で、私はどの業界でもこれまでの経営経験を生かしているのではないかと思います。

そして、事業運営は、ビジョン、理念といったベクトルがある程度同じ方向を向いていないと難しい。だから取引先の業者様に対しても、ある程度厳しいことを高いレベルで話し合えるような、厳しいやり取りをする方々にあえてビジネスパートナーになっていただいたつもりです。

事業を成功させるために必要なのは、高度で有能な個々人を育成し、総合力で勝ちきれるプロ集団での運営です。組織体のネームバリューも大事ですが、その裏打ちされた実力があって初めてブランドができあがる。ですので、スタッフ一人ひとりに関しても、『誰とやるのか』にこだわっています。

働く人一人ひとりに自分の能力を最大限に発揮してもらう。組織体の中では、結局何をやったのかが一番大事だと思っています。結果的にその積み重ねで、たくさんの患者様にご来院いただけることにつながるのかもしれませんね」
 


イノベーションのベースには、「信頼」がある

コンテンツマーケティングを極めた末に見えたてきた、水上氏の事業におけるイノベーションのあり方とは、どういったものなのだろうか。

「イノベーションって、いろんな捉え方があると思っています。一般的には『技術革新』という言葉がピンとくるかもしれませんが、私の場合は新しいアイディアを出し、新たな価値創造を築いた上で、さまざまな形で「信用を生み出す」ことだと思っています。いくらテクノロジーが進化しても、一人一人と真剣に向き合って信頼していただけることが、イノベーションのベースになるのです。

今の病院でも、朝夜の診療や日曜診療など、変則的に仕事をするので体を慣らすのが大変です。しかし、従業員がみんな同じベクトルでやっていることで、患者の皆様からの信頼を得て関東全域から診察に来ていただけているのだと自負しています。これからもより一人一人を大事にしながら、丁寧かつ最先端の診療を提供するために、医療の質を上げてスピーディにこなしていくことで、事業を進化させていきたいと思っています」

編集=Forbes JAPAN 編集部

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