1. 保有資産が集中している
詐欺を行う人は、金のあるところに向かう。米国における富の44%は高齢者が持っている。また、ベビーブーム世代(1945~65年の間に生まれた人)が2011年以降、人生で最も裕福なこの段階に記録的な数で突入するにつれ、高齢者の数は毎日8000人ずつ増えている。
2. 判断力が低下する
年齢を重ねると、詐欺と正当な取引を区別するのに必要な高度な思考能力が下がる。米国の高齢者の15~35%は、ある種の認知機能障害を経験し、そのことに気づいてさえいないかもしれないことが複数の調査で分かっている。
3. 健康であり続けることへの願望がある
米国の高齢者は、健康を維持し、慢性病を避けたいと強く考えている。一部の高齢者は、再び健康になるためであればどんなものでも信じてしまうだろう。こうして高齢者は、「万能薬」とうたわれつつ効果をもたらす証拠がほとんどないようものに大金を支払ってしまう。
4. 礼儀正しい
米国で1920~40年代に生まれた人は、礼儀正しくなるよう教えられてきた。詐欺師らはこうした良い性質を餌食にしている。礼儀正しさは家庭で教えられ、学校や教会、若者が向かうあらゆる場所で強化された。米国の高齢者は異議を唱えることを嫌い、断ることに苦労する。そのため詐欺師に積極的にアプローチされた場合、その要求に受動的に応じるのもいとわないことが多い。
5. 不正や詐欺行為を報告しないことが多い
高齢者は詐欺行為を報告しないことが多い。記憶があやふやな高齢者はうまく証言できないことを詐欺師は知っているのだ。また、悪事を働いた人が高齢者の介護者である場合、自分が通報すればケアを受けられなくなったり身体的危害を加えられたり、恥をかいたりするのではないかと恐れている。
さらには、愚痴をこぼし過ぎると高齢者福祉施設に入れられたり、車の運転ができなくなったりして自由が失われるかもしれないと感じている可能性もある。高齢者は「自由を失わないよう大げさにすべきではないかもしれない」と考えているのかもしれない。