ビジネス

2019.02.12

シェアハウス、子育て支援に漫画!企業文化を変えたダイバーシティの取り組み8例

(左上から時計回りで)ピジョン、味の素、SOMPOビジネスサービス、日立ハイテクノロジーズの様子

エントリー企業の中から8社をピックアップ。ダイバーシティ&インクルージョンを推進する各社の取り組みとは?


ピジョン
──シェアハウス生活で多様性を“自分ごと”に

育児や介護用品の製造販売、輸出入などの事業を展開するピジョンは、ダイバーシティ研修として数カ月にわたって国籍やジェンダー、宗教など多様なバックグラウンドの人と一緒に生活する「シェアハウスでの生活体験」を今年導入。経営戦略としてダイバーシティ&インクルージョンを推進している。

特に、「他者を受容するためには、まず自己を知ることが重要」として、自らの働く意味を問う「自分軸を探る研修」にも力を入れる。一定以上の役職者が男女1人ずつの後継者を指定する制度や、不妊治療だけでなく養子縁組を対象にした休職制度なども導入している。

従業員数:984人 
正社員における女性の割合:35.0% 
女性の平均勤続年数:13.9年 
設立年:1957年

ヒューマンリソシア
──世界30カ国から人材招聘日本の職場を国際化

事務やエンジニアなどの人材派遣や人材紹介、人事コンサルティングなどの事業を展開するヒューマンリソシア。労働人口が減少し採用が顕著な課題になっている業界で、女性やシニア、障がいを持つ人や外国人を積極的に登用している。

IT分野では世界30カ国以上から300人以上のエンジニアを採用し、日本国内企業に派遣。その約3割が女性だ。特に「より高いレベルで活躍したい」とASEAN諸国から来る女性エンジニアが増えている。また、自社でも時間生産性を評価する人事制度の導入や、テレワークやモバイルワークの試験運用など働き方改革に取り組む。

従業員数:738人 
正社員における女性の割合:48.9% 
女性の平均勤続年数:5.0年 
設立年:1988年

野村総合研究所
──両立ストーリーを漫画に!男性社員の意識改革に注力

野村総合研究所では「両立して働くためには、社員の8割を占める男性の理解が不可欠」の意見をきっかけに、2016年度から男性の育児と仕事の両立支援にも注力するように。

女性社員同士のネットワーク構築や役員への提言を担うNRI Women’s Networkのワーキンググループに男性も参加。パートナー出産休暇を整備し、男性社員向けの「仕事と育児の両立支援GuideBook」を作成。育児にまつわる身近な話題や疑問をもとにした漫画「俺たちの両立あるあるものがたり」も人気だ。自ら漫画のネタを投稿する社員も現れ、社内風土は確実に変わってきている。

従業員数:6130人 
正社員における女性の割合:19.3% 
女性の平均勤続年数:12.1年 
設立年:1965年

味の素
──多様性を阻害する無意識の偏見をなくせ

働き方改革で昨年4月に所定労働時間を「午前8時15分始業、午後4時30分終業」の1日7時間15分勤務に短縮した味の素。短時間で高い生産性を実現することが目的だったが、「育児など特別な理由がある人だけ」といった過去の先入観にとらわれ、制度の活用が進まない部署も。

そこで今年度からダイバーシティ推進を阻害すると言われているアンコンシャスバイアス研修を開始し風土改革を推進。制度の活用を進め、公平な機会提供の促進と意見を受け入れ合える環境を整える。また国内主要グループ各社でeラーニングによるLGBT研修も展開予定。

従業員数:3464人 
正社員における女性の割合:29.8% 
女性の平均勤続年数:17.9年 
設立年:1925年
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文=フォーブス ジャパン編集部

この記事は 「Forbes JAPAN 世界を変えるデザイナー39」に掲載されています。 定期購読はこちら >>

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