それは、人材コンサルティング企業コーン・フェリーが最近行った、職場で最大のストレス要因に関するアンケート調査の結果にまつわるものだった。職場で最大のストレス要因とされたのはご想像のとおり、上司や経営陣、上層部だった。回答者の35%が最大のストレス要因として上司を挙げ、80%が「直属の上司や、組織内で立場が上の人」など上層部の人事異動によりストレスレベルが上がったと感じていた。
この調査結果に対する私の驚き度は、あした太陽が東から昇ると言われた時と同じぐらいだった。要は、意外でもなんでもなかったということだ。
違いを生み出すもの
マネジメントについて学んだり考えたりしたことがある人なら、その中心となる上司と部下の関係の重要性が分かっているだろう。これは、ディファレンスメーカー(違いを生み出すもの)となる。私は自著の『The Type B Manager』で、前書きの1ページ目に「上司との良い関係は悪い仕事を耐えうるものにするが、上司との悪い関係は良い仕事を悲惨なものにする」と書いた。両者の関係は、それほど大切なのだ。
これを見くびってはいけない。上司はしばしば日常的に、あなたの生活に大きな影響を及ぼす。その影響力がどう使われるかによって、あなたの職場体験は形作られる。あなたがストレスを強く感じるか、ほとんど感じないかは、これにかかっているのだ。
取るべきステップは?
では、ストレスを与える上司に対して、従業員はどう対処すべきだろう? 簡単には答えられないことが多いが、それでも私から与えられるアドバイスは幾つかある。以下に、嫌な上司に対処する3つの基本的ステップを紹介しよう。
まず、可能な限り上司を理解しようとするのは、常に得策だ。上司の身になって考え、上司がストレスを感じている(そして、そのストレスを周りに転嫁している)問題の理解を試みよう。そんな気になれないかもしれないが、何らかの知見を得られるかもしれないので、理解を試みる価値はある。
次に、ベストを尽くし、かわりのきかない人材になろうとすること。うまくいかないかもしれないし、人間関係は変わらないかもしれないが、スター人材としての強い立場を得ることができるだろう。
最後に、もし共感や実績をもってしてもうまくいかない場合、その職場を去るべき時かもしれない。黙って苦しんだり、長期間にわたり自分を犠牲にしたりすることには、何の利点もない。もし人間関係が際限ないストレスを生むように思えるのなら、積極的に行動を起こし、他で才能を発揮した方がずっと良い。