しかしノルウェーのベルゲン大学の研究者らはハーバード・ビジネス・レビュー誌にて数カ月前、男性と女性はどちらもマルチタスクが「同じくらい苦手」だと明らかにした。
多くのリーダーは、これまで従業員を採用する際、このマルチタスク能力の差を優先してきた。企業にとって、労働時間を最大限活用するのは良いことだからだ。しかしここ数年で、いくつかの作業を同時に行うことは不可能であるだけでなく、こうした試みは私たちの健康にも害を及ぼすことが明らかになってきた。
米ビジネス誌インク・ドットコム(Inc.com)によると、マサチューセッツ工科大学(MIT)の神経科学者アール・ミラーは、私たちの脳が「マルチタスクをうまくこなすように作られていない」と述べた。「自分がマルチタスクをしていると思っているときは、実はある作業から他の作業へと急激に切り替えているだけで、毎回認知的な代償が生じる」(ミラー)
しかし2019年現在、この状態を避けるのは難しい。電子メールや電話がひっきりなしに入り、仕事のスケジュールは飽和し、長時間無理に集中しようとしている状態で、多くの人は複数のことに同時に取り組む羽目になる。しかし最終的には注意散漫になり、能力を最大限発揮して完了させることがどれ一つとしてできない。
ここで紹介する6つのコツを実践すれば、この悪習を直せるかもしれない。
1. 集中の邪魔をされたくないことを明確にする
重要な作業をしている最中、誰かが自分のところに来てしゃべり始めることほど最悪なことはない。
ほとんどの職場は現在、オープンオフィス(間仕切りのない開放型オフィス空間)を採用していて、同僚と会話を始めてしまうことが今までに増して簡単になっている。これ自体にはもちろん問題はないものの、締め切りが迫っているときには集中力が大きく損なわれてしまいかねない。
最も良い対処法はヘッドフォンをつけることだ。何も聞いていなかったとしても、これにより誰かとの会話を途中で中断する必要なく、最初から話しかけないでほしいと相手に理解してもらえる。それでも周囲の会話が聞こえてしまう場合は、土砂降りの雨かホワイトノイズのような音を聞いて集中しよう。
2. 電子メールの通知をオフにする
職場では、いつも電子メールを確認・返信しなければならないという不思議なプレッシャーが存在するようだ。メールの受信ボックスを確認する時間を決め、何か特定のものについてすぐに対応できる状態でいなければならない場合以外は通知をオフにしておく。