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日本型ハイプサイクル

技術的なキーワードがどれだけ話題になっているか、ということを示す指標として、IT系の調査会社として著名なGartner Group (ガートナーグループ)が発行している「Hype Cycle(ハイプサイクル)」があります。

ガートナーグループによると、どんな新技術においても、下の図に示すような曲線を通りながら市場に浸透していく、と解説しています。



新技術はまずは黎明期を迎え、少数の先進的なユーザの間で採用された後、流行期で急激にユーザ数が目立つようになります。

流行期で登場する事例には失敗するケースも多く、それが次のステージである幻滅期につながります。落ち込む時期に新技術の最も有効な採用方法やユースケースが次第に確立され、回復期をゆっくり上り始めます。そして最後に市場全体に汎用的なモデルが確立し、安定期を迎えます。

技術によってその進むスピードは違うにせよ、複数のステージを経て進んでいくモデルがハイプサイクルとして広く理解されています。

日本と米国のIT市場の違いを長年見ていく中で、日本市場においては必ずしもこのガートナーグループのハイプサイクルが綺麗に当てはまらないのでは、と私は長く疑問を感じていました。明らかに、米国における新技術の広がり方と、同じ技術が少し遅れて日本国内での広がり方が異なるケースを何度も見てきたからです。

日本においては、次のような特徴をよく見かけました。

・黎明期:山を登り始めるまでに時間を要し、くすぶり期間が長い

⇒これは、日本国内に新技術に関する情報が日本語化されるまでの期間が必要なため、その分、普及に時間がかかる事が要因だと想像します

・流行期:しかし一旦広まると、市場全体に一挙に普及する傾向があり、山を登り始めてからが早い

⇒これは日本市場におけるITニーズが欧米と比較して統一されているからだと考えられます。またその理由で、流行期に達すると滞留期間が長い、というのも特徴です。

・幻滅期:流行期が長い分だけ、幻滅期での落ち込みが比較的小さい

⇒市場全体に広がって滞留する時期が長い分だけ、成功事例が見出されやすくなる、と考えられます

・回復期~安定期:従って、回復期から安定期への移行もさほど大きな市場変化が無く、欧米に比べて技術浸透の平準化が早いと言えます。

上記の特性を図に表すと、次のような図になります。



端的に表現すると、スイッチが入るまで時間がかかるが、いったん火がつけば、全国的に燃え広がるのは早く、あまり疑問を持つことなく定着する傾向が強いのです。

文=鈴木いっぺい

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